さて、今年創業60周年を迎えたオリオンビールですが、沖縄から一番近い海外、台湾で日本のビールメーカーとしてはいち早く進出しシェアを伸ばしてきました。台湾でどのように受け入れられているのか、メイドインオキナワの戦略と現地の生の声を聞いてきました。
比嘉記者「台北市の中心地で今年4回目の開催となるオリオンビアフェストイン台北。沖縄県内での開催に負けないくらいの盛り上がりですが実は今オリオンビールはここ台湾でキテいるんです!」
台湾最大の都市、台北市のシンボルタワーを望む都会の真ん中で開催されたオリオンビアフェストin台北。夕方には多くの人が集いました。
男性「イベントに来るのは3回目です」
男性「さっぱりしていていいですね」
女性「オリオンビール好きよ」
開催1日目の朝。自ら汗を流して搬入作業を指揮するのは、去年開設された台湾事務所の所長、仲村さんです。
仲村所長「2日分で130本(樽)用意しています。樽に書いていますが、8月製造のものなので、9月のこの時期に製造から1か月しか経っていないというのはほとんど沖縄と変わらない鮮度」
鮮度と品質管理が命の樽生の販売を、どの国内メーカーよりも早く始めたオリオンビール。20年前から地道に築いた販路は、日本食ブームの追い風を受けて徐々に拡大していきました。特に樽生は順調に推移し、市内の多くの飲食店で見かけるほか、おととしからは現地ファミリーマートで缶ビールが定番採用され、海外輸出全体のおよそ半分を台湾への輸出が占めています。
比嘉記者「金曜の夜、仕事帰りの皆さんで賑わっています。こうした日本の居酒屋スタイルも今台湾で流行りつつあるということなんですが、皆さん、手にはオリオンビール、飲んでいますね」
男性客「前に日本でも飲んだことがあるけど、きょうここでも同じ味だった。悪くないね!一番!」
男性客「日本のお店があるからオリオンビールに触れる機会もある」
またお店にとっての取引の決め手となったのが…
オーナー石村さん「(開店当初)日本の生ビールはオリオンビールしかなかった。せっかく日本の居酒屋なので日本のビールを使いたかった」
「いち早い進出」と「地道な売り込み」。それは、食事と一緒にビールを楽しんだり、男性も女性も外でアルコールを飲んだりという、これまで台湾にはなかった新たなスタイルの提案や沖縄文化の発信にもつながっています。
男性「沖縄の海とさっぱりしたさわやかな雰囲気が感じられる」
女性「オリオンビールは台湾ビールに似ているので女性も今後飲んでいくと思います」
仲村所長「(今年は)樽生に加えて県産アセローラやシークァーサーを使って新しいお酒の飲み方を提案することでも重要な位置づけ。台湾が重要な市場ということに変わりはないがそこを基盤に今後アジアを中心とした広がりが見えてくればと思う」
與那嶺社長「ビールがあって、食があって、という形でセットにして発信していきたい台湾という地元に密着して営業展開していきたい」
新鮮なビールで、新たな試みを仕掛けていく。メイドインオキナワ、オリオンビールの台湾市場での可能性は、本土にはない近さを武器に、まだまだ広がりそうです。