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今年も家族や親戚が集まって旧盆を過ごされた方は多いのではないでしょうか。

旧盆といえばご先祖様をお迎えするウンケーに始まり、あの世に帰っていただくウークイで終わるのが一般的ですが・・・

「ウンケーしますよね。ウークイしますよね。(Qそれで終わりですか?)いえいえ」

「ここはウークイ終わって翌日が・・・」

「ウークイで終わりじゃなくてヌーバレーが翌日にあって。それがもう200年余り続いているということで」

なんとそれだけでは終わらない地域があるのです。

Qプラスカメラマンリポート 南城市知名の”ヌーバレー”

ウークイの翌日、南城市知名ではボラや太鼓の音が鳴り響く中、道ジュネーが行われ拝所では五穀豊穣を祈願します。

知名ヌーバレー保存会会長屋我嗣春さん「子や孫がいない門中は誰もお見送りしないのでこの近辺から部落民でもっておもてなしして芸能を見ていただいて送ってあげようという意味」

「ヌーバレー」と呼ばれるこの神事はウークイで送り届けることのできなかった無縁仏の皆様に区民がおもてなしをしてあの世に気持ちよく帰っていただくための南城市に伝わる伝統行事で、ここ知名区では200年以上前から行われています。

舞台では子どもからお年寄りまで世代を問わず舞台芸能を演じます。例え身内に不幸があってもヌーバレーには必ず参加するんだとか。会場は超満員。正に区民総出の一大イベントなんです。

クオリティの高い舞台も知名ヌーバレーの特徴です。

Qプラスカメラマンリポート 南城市知名の”ヌーバレー”

2つの踊りは南城市の無形文化財にも指定されていて、知名ヌーバレーを代表する演目です。

その他にも祝いの席で披露される踊りが知名ヌーバレーでは独特の足芸が加わったり、組踊には珍しい恋愛ををテーマにした演目が9年ぶりに復活したり

Qプラスカメラマンリポート 南城市知名の”ヌーバレー”

地元知名出身の人間国宝で琉球古典音楽の第一人者照喜名朝一さんの独唱等、ここ知名にしかない演出で舞台を大いに盛り上げます。フィナーレは演者も観客も入り乱れてのカチャーシー。こうして知名ヌーバレーは最大級のおもてなしで幕を閉じたのでした。

といいたいところなのですが・・・

あまりにも楽しんだ無縁仏がこの世に残ろうと取り憑かれる前にさっさと退散しなければいけないというのが知名ヌーバレーの言い伝え。我々も大慌てで帰りました。この放送を見て来年見に行こうと思った方、どうかお気をつけください。