ライフセービングとは、ご存知のとおり海での救助活動のことを指しますが、スポーツとしては、救助のための基礎の力、いち速く走ることや泳ぐこと、速くボードを漕ぐことなどを競います。この競技で異彩を放つ小学生兄弟がいるんです。
早朝のビーチ。仲良くトレーニングに励むのが、ライフセービング界期待の星、豊田兄弟。兄・海皇(かいの)君と、弟・琉皇(りゅうの)君です
先月千葉で行われたライフセービングの全日本ジュニア競技会。これは人命救助の土台となる、基礎体力を競う大会で、弟の琉皇君がビーチフラッグスと波打ち際を走るウェーディングレース1・2年生の部で2年連続優勝を果たすなど、金銀合わせて4つのメダルを獲得。
兄の海皇君は、去年ビーチフラッグスで優勝、ことしはパドルボードなど3種目をチームでつなぐタップリンリレーで2位に入りました。
弟・琉皇君「ウェーディングレースもビーチフラッグスも、金メダルが2つ取れて、2連覇できてよかったなと思いました。
兄・海皇君「リレーでのメダルは初めてだったので、来年も頑張ります。」
2人を指導するのは母の一乃(かずの)さんと父の尚久さん。ともに元ライフセーバーで、特に尚久さんは、全日本選手権で最多優勝を誇る実力でライフセービング競技界を牽引しています。
父・尚久さん「ライフセービングという命にかかわる、命を助ける活動なので、活動的には良いものなので(子どもたちにも)ぜひ体験してもらいたいということでやってもらっています。」
その両親に連れられ、小さい頃から海で遊んでいた海皇君と琉皇君。自然と競技に取り組むようになりました。日課となっている朝6時からの練習をはじめ、多い時には朝夕合わせて、1日に4時間ほど練習しています。
その実力を探るには、対戦するのが一番!ということでいざ真剣勝負!競技はビーチフラッグス。15m先のフラッグに見立てたホースを掴んだ人の勝利です。
リプレイで見てみると、豊田兄弟のスタートから振り向き走り出すまでの速さ、砂の上でも落ちないスピードが際立っています。その速さの秘訣は、2人の体幹の強さにあると、父・尚久さんは言います。
父・尚久さん「足を取られた時に転ばないように走り方と体幹の強さですね。そういうのがかなり重要になってくると思います。特にトレーニングとして腹筋したり腕立て伏せしたりとかしていないんですけど、ビーチでよく走り回ったりとか、近くの公園でも子どもの頃から木に登ったりとか良くしていましたので、体幹のナチュラル的な部分で強くなっているのかなというのはありますね。」
また、その強さが生かされるのはライフセービングだけではありません。
兄・海皇君「こっちはライフセービング以外での学校行事のマラソン大会だったり、それ以外の陸上関係のものだったり。」
ライフセービング以外でも表彰台に上りました。さらに今、他にも挑戦しているものが…。
兄・海皇君「体操スクールと、スイミングスクールと、ゴルフスクールと、あと野球はやっています。」
母・一乃さん「ライフセービングがルーティーンワークになっていて、体力はとてもあると思います。疲れないです。小さい時からそれを普通にやってきていることなので、それが良かったのかな。」
小さな体にたくさんの可能性を秘めている、海皇君・琉皇君。これからも両親とともに、ビーチから様々な世界へ飛び込んでいきます!
弟・琉皇君「来年も、金メダルを1つでも良いから取れたらいいなと思います。」
兄・海皇君「(来年は)最高学年だから、金メダルをビーチフラッグスで取ることを目標にしたいです。」