インターネット上でやりとりされる新たなお金「仮想通貨」。時々、ニュースなどでも耳にすることもありますが、なんと県内でも仮想通貨が利用できる店が増えてきているそうです。果たして「仮想通貨」とは一体どういうものなのか、そして私たちの生活にどのような影響を与えるのか取材してきました。
那覇市東町にあるダイビングショップ「シートラベラー」。 昨年からあることを始めましたそれは・・・
沖縄コミュニケーションサービス・相川浩一代表「うちも外国人の方を取り入れていこうと思っていますので、その準備としてまずはビットコインの決済を導入した」
このように端末に金額を入力し、表示されたQRコードをお客が自分のスマートフォンで読み取れば、決済が完了する仕組みです。
沖縄コミュニケーションサービス・相川浩一代表「中国の方はスマートフォン決済というのが当たり前に普及してまして、その中でカード決済よりも世界共通の『ビットコイン」』で決済することが主流になってきている」
県内で飲食店などを展開する「カイ・コーポレーション」も今年6月から仮想通貨「ビットコイン」を料金払いに利用できるサービスを始めました。
回 おもろまち店・福島麻優店長「6月末から導入を始めたのですが、100組以上は利用頂いてまして。蓋を開けてみたら、インバウンド対応ということで導入をしたんですけど、8割以上は県内のお客様が利用されています。反響がすごいので驚いております」
こちらの店舗ではビットコインが利用できることがSNSで話題となり、ビットコインを使っている人たちの新規の来店につながったといいます。
ビットコインを含むいわゆる「仮想通貨」とは、「円」や「ドル」などと違って形がなく、インターネット上にデータとしてのみ存在する「新たなお金」で、ビットコインの他にも、今では1000種類以上があると言われています。
去年5月、「仮想通貨」と「貨幣」が同様の価値であることを認める通称「仮想通貨法」が国会で成立したことで、利用できる飲食店は国内でも数千店舗にまで一気に広がり、今年は「仮想通貨元年」と言われています。
最大のメリットは、インターネット上をにお金を持つことで海外との取引も手数料があまり掛からず、国ごとに貨幣価値が変わらず、ある意味、世界共通のお金として使うことができること。
そして、仮想通貨の仕組みを支えているのが「ブロックチェーン」と言われる新しい技術です。
伊波紗友里「沖縄銀行の行員食堂にやってきました。こちらではある取り組みが行われています。このように端末を操作すると、端末で食券を利用することができるんです」
沖縄銀行の行員食堂で行われたのは、仮想通貨を支える技術「ブロックチェーン」を使った実証実験、県内初の試みです。
「ブロックチェーン」を詳しく説明すると、これまでお金の取引に関わるデータは、金融機関などが巨大なコンピューターシステムで管理してきました。これに対して「ブロックチェーン」では取引データの管理者が存在せず、大勢の利用者がデータを共有するため改ざんされにくいとされています。巨額のシステム投資がいらないため、低コストでサービスが実現できることも特徴です。
沖縄銀行システム部・徳田安志さん「(Q:実証実験が行われている目的とは?)ブロックチェーンの有用性、使いやすさというのを検証するのが一番大きな目的です」
沖縄銀行では、今後実証実験の結果を活かして、市町村の市域振興券の電子化や県内で利用できる地域通貨の発行など、ビジネスモデルを構築していきたいとしています
徳田さん「沖縄は島国でして、観光で注目されているところであり、国内外からのお客様が多くいらっしゃっています。そこで沖縄独自で使える地域通貨を発行することによって、県の経済が盛り上がるというところと、沖縄県での購入の動向の分析も可能ではないかと思います」
沖縄を訪れる外国人観光客や世界のウチナーンチュネットワークでの需要も期待され、沖縄経済にとって起爆剤となるのか?仮想通貨の今後に注目です。
伊波紗友里「地域版『仮想通貨』は囲い込み効果が強化されて、地元の地域経済の活性化につながることが期待できます。実際に福島県の会津若松市では低迷した地域経済の立て直しのため、仮想通貨を発行する試みが行われました」
仮想通貨というと、日本の取引所で大量のビットコインが消えた事件もあり、不安に思う方も多いのでは?
伊波紗友里「リスクは円やドルと違い、国や中央銀行が発行に関与している訳ではないので、価格の急変動があること。もう一つは仮想通貨にの購入をめぐるトラブルが急増しているということで、仮想通貨を何にどう使うか、十分な注意や検討が必要です。今年は『仮想通貨元年』と言われていますから、今後、県経済にどのように影響するのかリスクと可能性の両面で注目していきたいと思います」