九州、沖縄、山口の夏のブロック企画、テーマは「アツイ!」。沖縄からは、高校生活をかけて、ある「甲子園」に挑む女子高生3人に密着です。彼女たちがこの夏、心に焼き付けたものとは!?
浦添工業高校。今回の主人公、石橋未奈子さん(3年デザイン科)、浦添莉乃さん(3年デザイン科)、そして比嘉夏子さん(2年調理科)。彼女たちが今、夢中なのが…そう「写真」です。
3人はこの夏、写真に打ち込む高校生の憧れ「写真甲子園」への切符を手にしました。チームワークは完璧かと思いきや…
未奈子さん「なっちゃんは特に二人が先輩なので」莉乃さん「遠慮しているんですよ」
2年生の夏子さん。「写真甲子園」を夢見て、未奈子さんや莉乃さんと半年前から猛特訓してきました。実は浦添工業は過去5回の出場経験がある常連校。
夏子さん「(目標は)先輩たちの作品を超えることです」
舞台は北の大地・北海道!そのほぼ中央「写真の町」東川町にブロック予選を勝ち抜いた18校が集まりました。「写真日本一」をかけた3日間の戦いの始まりです!大会は、朝から晩まで撮影や選定、審査会を行うというハードな内容です。
一日目のテーマは「自然」。浦添工業の3人は、静寂の中ひたすら被写体に向き合ったり、かすかな命の声を探して歩いたり…
莉乃さん「(靴だと)走りにくくて」
沖縄から持ってきた隠し玉に履き替えて、駆け回ったりと、それぞれ別の場所で撮影に励み、夜の審査会で8枚の組み写真を発表。まずまずの評価を得ました。
沖縄よりもうんと早い、北海道の朝がやってきました。2日目のテーマは「くらし」。3人は早朝から撮影を開始。順調に進んでいるかと思いきや…
夏子さん「莉乃先輩泣いてる。ファイナル(最終日)で自分の納得いく作品が作れなかったら、結果の時に悔しい思いをすると思うので」
莉乃さん、撮影に少し行き詰っていたようです。
莉乃さん「なっちゃんの優しい言葉にちょっと思わず。泣かないでおこうと思ったんですけど」
遠く北海道の地で初めて感じる不甲斐なさや心細さ。夏子さんの励ましが背中を押したようです。
その夜、そんな夏子さんの撮ったある写真が審査員の注目を集めます。
立木審査委員長「6枚目のハンディキャップのお嬢さんを撮らせてくれたわけね?」
夏子さん「可愛く撮ってあげてと言われて笑っている時を撮りました」
立木審査委員長「そのことがすごいっていう風に強く心に刻んで帰ってほしい」
それはこの日に出会った親子でした。
お母さん「全然いいよ、かわいく撮ってね」
立木審査委員長「今回あなたたちがいろんなことで経験したことは、全部このお母さんから教わった事になるやもしれない。それぐらいこれはすごい写真です」
最終日のテーマは「ひと」。この日も早朝から思い思いの場所に向かい、制限時間いっぱいまでシャッターを切り続けました。
未奈子さん「家族がともに重ねてきた月日、そして紡いできた命。それぞれの家族に時は等しく流れている。繰り返される日々の中で確かに感じる温もり。そしてきょうも一日が過ぎていく」
走って、探して、撮り続けた3日間。3人で撮った写真は4869枚にも上りました。そして迎えた、結果発表の時。果たして…
『優秀賞1校目、東川町長賞は沖縄県立浦添工業高等学校の皆さんです』
結果は3位同等の優秀賞。満足いくものではありませんでしたが、全力を出し切った結果。悔しさも安堵する気持ちも、すべて涙で流します。
夏子さん「今度(来年)こそ沖縄に優勝旗を持って帰れるように頑張りたいです」