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県が差止訴訟を提訴「経緯」

翁長知事会見「岩礁破砕の許可、これは再申請になると思いますけども、あと設計変更とかですね、それから文化財も出てきております。それからサンゴの移植の問題もこれから出てまいりますし…」

埋め立て承認取り消しをめぐる裁判での県側敗訴が近づいていた去年11月の末。あらゆる手段を講じて新基地建設を止めるとする翁長知事は、「あらゆる手段」の筆頭に、「岩礁破砕等許可」を挙げていました。

しかし、この11月の時点で、国は、知事権限を回避する秘策を打っていました。地元名護漁協に補償金を出すことで、新基地周辺の漁業権放棄を決議させていたのです。

前の岩礁破砕等許可の期限切れが迫った3月15日、沖縄防衛局は県を訪ね、「漁業権は消滅した」と断言しました。

2016年3月、沖縄防衛局の担当者は、「漁業権があるところの漁場について、岩礁破砕の許可を得なきゃいけない。今回漁業権が、漁業法の手続きに従って消滅しましたんで」と話していました。

今後の工事に、知事の許可は必要ない。県側にとって、戦いのルールが突如変更された瞬間でした。その後、県側は有効な手立てを打てないまま、4月には護岸工事が始まるなど、辺野古の海のかたちは変わりつつあります。