さて、こちらの数字、14427人は県内の障害を持つ方でハローワークに登録している人の数です。このうち、一般企業や事業所などで務めている人は7286人。半分にとどまっています。
こうした中、ある企業が今年から障害者のための合同企業説明会を開催しています。誰もが働きやすい環境のために、今求められることとは。
きょう沖縄市で開催された、合同企業説明会。身体的、知的、精神的な障害を持つ人のために開催されたもので、県内7つの企業が参加しおよそ100人が訪れました。
参加者「他の場所でももっといっぱいこういう説明会があったらいい」「(Q:企業に求めるものは?)送迎バスがあると安心して(働ける)」
リタリコワークス石井さん「企業にとって障害のある方を理解する場、障害のある方にとって企業を理解する場として、それが障害者就労や長期的な就職につながっていくのかと思い開催しました」
この説明会を開催したのは、沖縄市にあるリタリコワークス。障害を持つ人の一般企業への就職を後押しするため、個別の面談や就業体験のあっせん、就職前の訓練など様々なプログラムを通して、利用者一人ひとりに合った職場を紹介。障害者と企業の橋渡しをしています。
そのリタリコワークスが3月に県内で初めて開催した説明会で、実際に就職に結びついた人がいました。
池原宏光さん(54)。40代で脊髄の疾患を発症し、それまでの勤め先を退職。4年前、リタリコワークスを利用し、県内企業に3年間勤めました。その後も一般企業で働きたいという気持ちを持ち続け、次の就職先を探しているところでした。
池原さん「体を動かさないとダメだと思って。(リタリコワークスで)こういう(イベント)があるよと、まず来てごらんという感じで行ったら、ちょうどディノスと合った」
池原さんが就職したのは、うるま市にあるこちらの会社。主な業務は電話での通信販売の顧客対応ですが、軽作業や休憩室でのマッサージなどで障害者を雇用し、同時に「従業員第一主義」で福利厚生の向上や誰もが働きやすい環境づくりに取り組んできました。
ディノス・仲宗根さん「多数の従業員の皆さんから、できれば社員食堂ができないかという提案をいただいている中で、(池原さんに)取り組んでいただいているのが畑、農作業なんです。そこでできた生野菜等はすべて従業員の皆さんに無償提供する。特に池原さんは責任感の強い方で、弊社としても大変助かっている。障害を持っているから、持っていないからというよりも、人それぞれ個性もありますし、この方に何ができるのかというところで考えていけば、それぞれに合った適正な仕事を見つけることができるのかなと感じています」
池原さん「働きやすいです。(やりがいは)上司が自分に任せてくれるところ」
目標は従業員のためにおいしい野菜を収穫することと話す池原さん。その働く意欲を支えるのは…。
池原さん「自分としては、チャレンジですかね。いつもチャレンジという心を持っていれば大丈夫じゃないかな」
説明会を開催したリタリコワークスの石井さんは、こう話します。
石井さん「昨年度から障害者差別法が改正され、いわゆる『合理的配慮』というものが施行されました。例えば車いすの方が働いているのにスロープがないと、企業の努力で対応できるものは対応しましょうというものです。来年度、法律が変わり精神障害者の方も雇用が義務化になるのですが、車いすの方ほど見た目で障害がわからない方が多くいるので、双方がしっかり理解していくことが求められてくると思います」