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“医療費の還付”が受けられるであったり、“記憶にないものの請求”を求められたり、ウソの話を信じ込ませ現金をだまし取る詐欺のことを【振り込め詐欺】といいます。今年、県内では4月以降、この詐欺が急増しています。

詐欺の電話を受けた女性の話をもとに、悪質な手口について考えます。

(詐欺の電話を受けた)松田さん「(電話の声は)とっても言葉が柔らかかったですね。男の人で必要丁寧なので、私もコロッとそれが真実だろうと対応しましたね。」

浦添市に住む松田ミサ子さん、去年10月、自宅に1本の電話がかかってきました。市役所の職員を名乗る男からで、医療費の還付があるというものでした。

市役所役の男「市役所の保険相談センターの者です!医療費の還付に関する黄色い封筒の通知は来てますか?」

松田さん「封筒を見てみるのでと言ったら待ちますよ、どうぞと(男が)言って、調べてもなかったので、ないですがと言ったら、なくても結構ですよと言って…」

市役所の男「大丈夫ですよ。県庁のタイラという職員から電話がきますので、待っていてください」

市役所の職員を名乗る男の電話が終わった数分後…

県庁のタイラ「県庁のタイラです。ご主人の差額医療費が1万2359円あります。すぐ預金通帳とキャッシュカードを持ってATMに向かってください」

県庁のタイラと名乗る男から電話が来たといいます。この話を信用した松田さんは、自宅近くの商業施設に向かいました。さらにタイラという男との細かなやり取りが続きます。

県庁のタイラ「指定したお店に着いてますよね!入り口にいますか!?ATMからどの程度離れていますか!?」

どこにいるのか、周りの様子など細かく確認させられたといいます。

松田さん「落ち着いて答える暇がないほど慌ただしかったんですよね。ここ行け、あそこ行けって…」

相手の指示に従ってATMを操作していた松田さん、ある一言で詐欺だと気づくことができました。

県庁のタイラ「すみませんが…通帳の残高はいくらですか?」

戻ってくると言われた医療費の入金の確認ではなく、通帳の残高を尋ねるのはおかしいと気づけたことで、松田さんは詐欺の被害に遭わずに済みました。

「1週間以内に入金される」という言葉を最後に、タイラという男との連絡が一切取れなくなったといいます。

県警本部・安全なまちづくり推進室・新里薫室長「高齢女性というのは全般的にATMの操作が不慣れなんですよね。そこをよく知っていてそこを突いてくるわけなんです。」

こうした振り込め詐欺の特徴は、複数の犯人がいることです。役割分担し、かわるがわる電話をする「劇場型」と呼ばれる手口で個人情報を聞き出したり、現金を振り込ませようとしてきます。

県警本部・安全なまちづくり推進室・新里薫室長「だまされた人のほとんどが、まさか自分がという風な気持ちだと思います。電話でお金の話のやり取りはしないこと、ご自身含めて家族の個人情報をいろいろ聞いてきたりするんですが、そういったのに電話で安易に応えないことですね。」

“自分はだまされるはずがない”そうした隙を突いてくる振り込め詐欺、防犯意識を高く持ち、自ら対策をとることが求められています。