いま熱い視線が注がれているのはこちら。一見、普通のゴーヤーに見えますが、注目すべきはその大きさ!
『こちらのゴーヤーは、スーパーなどで流通しているサイズ。こちらと比較してみると・・・なんと2倍!いや、3倍!!とにかく大きい!!!」
長さは…なんと50センチ!更に、驚くのはその価格。通販サイトでなんと1本1万円の高値で販売されているんです。その裏には、奇跡の復活劇と地域の挑戦がありました。
今回の主役は、本部町健堅の在来種で、集落の方言読みが由来の「キンキン(健堅)ゴーヤー」。
このゴーヤーが栽培されている本部町健堅集落は古くはゴーヤーの一大産地。しかし、1970年代後半に入ると流通に適した小ぶりなゴーヤーが取引の中心に。キンキンゴーヤーは規格外とされ生産が途絶えてしまいました。その姿は「幻」に―。
・・・なったはずでしたが、なんと、およそ35年の歳月を経て復活したのです。その立役者となった坂本さん。
坂本さん「非常にきれいなゴーヤーで、私もできあがった時にみてびっくりするくらいきれいだなーと」
キンキンゴーヤーの復活は坂本さんとの奇跡の出会いからでした。ある日、偶然にも坂本さんの元に、地元で見つかったキンキンゴーヤーの流れをくむ雑種が持ち込まれたことが、その復活へとつながったのです。
仲栄真さん「年配の方々が復活した時にとっても喜んで感激してましたね!」
その後、町をあげて復活プロジェクトを立ち上げ、ブランド化を進めます。しかし、その大きさから流通にはのらず、町内のみの販売に留まっていました。
そんな時、その「規格外」に目をつけたのは携帯電話会社の「沖縄セルラー」。会社の通販サイトで1本1万円でキンキンゴーヤーを売り出します!
『たんなる大きいゴーヤーじゃないとその時代の背景、復活の背景も取材をして伝えることによってブランド化の一躍を担えれば―』
めったにないを売りにするだけでなく、キリやリュウキュウマツを使った箱に収め高級感を演出する。実際に去年、県外に5本のキンキンゴーヤーが売れました。ネットで話題を呼んだことで、県内でも再び注目されるようになったのです。
沖縄セルラー・國吉さん「1本、1本愛情をこめて作ったゴーヤーをしっかりと付加価値のあるゴーヤーとして農家のみなさんが育て甲斐のあるような商品にしていきたいなと思っています。
こうした動きは、生産者たちの励みにもなっています。
仲栄真さん「ブランド化できる、ゴーヤーの価値を評価してくれる。誇りを持って、我々も協力しながら最高品のキンキンゴーヤーを生産したいと思います! 」
「規格外」から「ブランド」へ!挑戦はこれからも続きます。