梅雨が明け直後、おとといの日曜日、渡名喜島で大正時代から続く伝統行事が行われました。爽快な水しぶきを上げながらの熱戦に島が沸き立ちました。
那覇から北西およそ60キロに位置し、三日月の形をした渡名喜島。赤瓦の住宅を取り囲むように、集落の中を走る小道のフクギ並木がゆったりとした島の雰囲気を演出します。
人口380人の県内で最も小さな村に、島の人みんなが楽しみにしている一大イベントがあるそうなんですが…
島民「ハーリーとかやってるよね、んで綱引き…」「あがり浜ですよ」「来年が100回なので、今年99回(来年の)プレ大会として子どもたちも頑張っています」
そう!渡名喜島の夏の風物詩“水上運動会”!夏の日差しがまぶしい、ここ「あがり浜」が舞台です。
選手宣誓「ぼくたち、私たち、渡名喜っ子は今年99回を迎える伝統ある水上運動会に向けて練習を頑張ってきました」「“おこせミラクル 仲間とともに 渡名喜っ子”のテーマのもとたくさんのミラクルを起こします」
今年は幼稚園生8人、小学生16人、中学生7人の31人が赤組と白組に分かれて対戦。競技は14種目、得点を競います。
大正8年から続く「水上運動会」、99回の歴史を持つ伝統行事です。太平洋戦争で4回中止になった以外、毎年行われてきました。
水上運動会に詳しい・上原雅志さん(62)「(渡名喜)島は昔カツオ漁が盛んでして、その基礎を作るために、泳ぎは必要だった。海というのは、生活の中にあって、島で育つという愛着というのかな、誇りや愛着、島に生まれて育ったっていうそういうのにつながると思う」
島民「子どもたちが元気一杯で頑張るのがとっても素晴らしいですね」「子どもたちの成長を祈りながらいっぱい応援するのが楽しみです」
島の人たちも一丸となって水上運動会を盛り上げます。
島の駐在員・渡嘉敷さんもスターターを務め今年で6年目!
渡名喜島の駐在員・渡嘉敷真貴さん「駐在の伝統でいつもやっているんですけど、光栄ですね。これを鳴らして僕の夏が始まるって感じです。名誉ある100回のシグナル、スターターをですね、ぜひやりたいと思ってます」
水上運動会は赤と白の戦いだけではありません。
渡名喜中学校・石川琴恵先生「潮が引いておりますので、みなさんテント(次の競技の待機場所)に急いでください」
それは時間!干潮との戦いでもあるんです。というのも…最後の種目“水中綱引き”がただの綱引きになってしまわないよう、分刻みで競技が次々と進められていきます。
おまけにこの日は“大潮”!例年よりも潮が早く引いていきます。今年は開始時間を30分早めました。
今年もちゃんと水中綱引きになりました!
子どもたちや島の人はもちろん、島に来た観光客も!会場にいる人みんなが綱引きに参加しました。
小6赤組・渡口琉華さん「いつもより早く泳ぐことができて、優勝することができたのでとても良かったです。自信を持って自慢できる伝統行事だと思います」
小6白組・比嘉優菜さん「(今年は)新しい競技も入っていたので楽しかったです。来年は、みんなが今年よりももっと楽しめて、悔いの残らないような、そんな感じにしたいです」
美ら海を舞台に水しぶきあげながら笑顔はじける水上運動会。島民総出で積み重ねてきたその歴史は来年、節目の100回です。どんな熱戦が繰り広げられるのか!期待が膨らみます!