中村守「私、中村守が沖縄県内の様々な発見や出会いを求めてスタートした『まも散歩』。今回はその続き!一体どんな発見が待っているのでしょうか?」
今も水が湧き出るアガリヌカーへ別れを告げ、牧志のさらに裏路地へ向かう私たち。古塚さんが石垣の前で足を止めました。
古塚さん「こういう所に古い石垣の跡が残っているんですよね。ただこの石垣は戦災を受けて崩れてしまって、あとから慌てて積み直したものだっていうことがわかります」
中村守「これは当時のものではない?」
古塚さん「この石とこの石の噛み合っているところ、これは本物です。けれども後から来た、石の職人でも何でもない人たちがワーッて積んだんでしょうね。ですから非常に積み方が粗いです」
みなさんはわかりますか?よく見てみると、ひとつの石垣で石の積み方がハッキリ違いますよね。こちらのしっかりした石積みは『相方積み』と言って、大小様々な石をそれぞれの形にかみ合うように成型して積まれていく貴重な伝統技法なんです。
古塚さん「戦争で、この辺も激戦があった場所なので、今は新しくお家が作り変えられるときに、こういう石垣の塀もなくなってるんですけど、以前は銃弾の跡がある石垣なんかも残ってました」
中村守「この牧志にあったんですね。今はもうもうない?」
古塚さん「今はもうないです」
中村守「石垣一つで色んな歴史があるんですね…」
石垣の歴史を感じた後は、再び静かな牧志の裏路地を進んでいきます。そしていよいよ、今回のまも散歩、最終地点に到着します。
古塚さん「こちらのほうにもちょっとした公園があります」
中村守「大きな木がありますね」
最後に我々がやってきたのがこちらの牧志北公園。この公園にも神様が祀られているとのこと。いったいどんな神様がいらっしゃるのでしょうか!
中村守「なんかちょっとありますね。これは?」
古塚さん「ここに西御嶽、そして土帝君という2つの神様が祀られています」
中村守「神様なんですね~。牧志公園にあったのが東の御嶽、ここが西の御嶽」
古塚さん「牧志の御嶽と言われているのはおそらくここのことだろうとふうに考えています。東の御嶽がニライカナイという海の彼方という理想郷の神様をお祀りするところならば、ここはこの集落の人たちをお祀りするというそういう御嶽ですね」
中村守「こんな近距離で、かたや海、かたや住民と全然役割が違うんですね」
古塚さん「もうひとつ、土帝君があります。これは今の国際通りの方、元の三越前あたりに祀られていた中国から来た神様なんです。国際通りを整備したりする時にこちらのほうに移されて、今は一緒に祀られています」
ここで再び歴史のお勉強!土帝君は1645年に中国から琉球にもたらされたといわれる『土地の神様』。県内各地に祀られている土帝君ですが、牧志ではかつて瓦を焼く文化があったということで、牧志の土帝君はその原材料となる土の神様として祀られた、という言い伝えがあるそうです。
最後にお勉強もできたところで今回のまも散歩はここまで!次回、もしかしたら、あなたの街にまも散歩?