4人の3年生で乗り越え挑む夏
いよいよ明後日開幕する夏の高校野球沖縄大会。めざせ甲子園学校紹介も残り2校、きょうは八重山商工です。
県内最速ピッチャーを擁するチームで最後の夏を迎える3年生は4人。監督の交代や部員不足など、チームの変化に悩むこともありましたが、4人だからこそ迎えられる夏がありました。
この春、沖縄高校野球界を沸かせた剛腕がいた!八重山商工のエース・平良海馬!最速152キロ、プロ注目右腕だ。
平良海馬投手「迷った時はストレートを投げる。自信がある球なので」
剛腕投手を擁し、この夏に挑む八重山商工。最高学年となる3年生は平良を含め4人。最後の夏にたどり着くまで、苦しさや不安を乗り越えてきていました
末吉昇一監督「(現3年生は)入学して4人しかいなくて、本当に大丈夫かなというところから高校野球が始まったと思うんですね。その中で監督が変わったり、本当に不安しかなかったと思うんですけど」
去年の夏を最後に、八重山商工を甲子園へと導いた伊志嶺吉盛監督が勇退。
さらに部員は、この4月に1年生が入るまでわずか7人。現在の3年生4人にとって予想していなかった1年が待っていました。
平良海馬主将「正直、この人数では実戦練習とかもできなくて。周りの分、(自分が)バッティングとかピッチングで盛り上げたりカバーしないといけないないう気持ちもあって」
その思いが、プレーに出てしまったのが春季大会。自分がやらないといけないというプレッシャーから、野手の守備を信じられず、結果、独り相撲になっていました。そんな平良のプレッシャーを和らげたのは同級生たちでした。
具志堅竜輝選手「海馬だけ注目されていると思うんですけど、みんなで勝つチームが良いと思うので、そういう話をしました」
大濵進一郎選手「自分合わせて4人で野球ができるのも、あと夏の大会しかないので。3年生中心として頑張っていこうと話しました」
グラウンドには、平良1人に背負わせないよう汗を流す3年生たちの姿がありました
平良海馬主将「前まで三振を取ろうと思っていたんですけど、今は守備、チームメイトを信頼してプレーしています」
また、もう1人、部員の少なさに悩んでいたのが3年生で唯一本島からやってきた德元亮真。兄が八重山商工プレーしていた影響で入学を決めましたが、最初はそのギャップに戸惑いました。
德元亮真選手「人数の違いって練習とかでもこんなに差が出るのかなってありました。そういう面では自分が一番に野球ができる場所を選びたかったと思って、転校もありなのかなと考えました」
思い描いていたものとは違う現状。ただ「練習環境」以上に、野球をする上で大切なものがありました。それが苦楽をともにした「仲間」でした。
德元亮真選手「人数が少ない中でやってきたので、一番お互いの気持ちとか性格とかもわかっていて、野球が一番しやすい3人なのかなと思います。一番の仲間というか、良いチームメイトができたかなと思っています。この3人がいたから自分もやってこられたというのもあるし、この3人と最後まで野球をやってきて良かったなと思えるような夏にしたいです」
悩み苦しんだ日々を超え、より強まった4人の絆。この4人だからこそたどり着けた夏の舞台で八重山商工の新たな歴史が始まる!
平良海馬主将「ベスト4以上目指せたらいいなと思います」
德元亮真選手「最高のプレーができればいいのかなと思っています」
具志堅竜輝選手「みんなで全員野球で勝ちたいと思います」
大濵進一郎選手「目標は…甲子園です」
『絶対勝つぞ~よぉし!行くぞ甲子園!いぇ~』