4番のけがを乗り越えて
今日は宮古高校です。メンバーの怪我を乗り越え、一回り成長したチームがいました。
県立宮古高校。秋、2回戦敗退だったチームは、春ベスト8まで勝ち残りこの夏、更なる上を目指しています。
そんな宮古の戦力を紹介。まずは投手陣から。エース長嶺誉は夏へ向け多彩な変化球に加え、ストレートにも力強さを増しています。2番手の友利元は、縦に大きく曲がるカーブを武器にしていて、2人が勝利のカギを握ります。
一方、打撃陣ではクリーンアップ3番に座る2年生の宇座幸太郎。どんな相手にも合わせられるバッティングの対応力は、監督も太鼓判を押します。また、5番与那覇凛は思い切りの良さが持ち味。そして、打の要は4番に座る知花大輝!とにかく自信をもってスイングをする、思い切りの良さと勝負強さが知花の武器。
夏の勝利に欠かせない4番の知花ですが、春の大会目前、メンバーから外れました。大会目前に、体育の授業で怪我をし、欠場。
知花選手「けがをしてしまった時には終わったなみたいな。病院行って靭帯損傷と言われた時はもう本当に悔しいだけの気持ちです」
去年の秋、スタメンに入れず、その悔しさからひたすら努力を続け、春・4番を勝ち取った矢先のけが。悔しさでいっぱいでした。そんな仲間の怪我を自分のように悔しがるメンバーがいました。砂辺真吾くんです。
砂辺真吾選手「自分も悔しくて。知花が一番打てると思っていたので、自分のように悔しかったです」
学校生活も、野球をする時もいつも一緒の親友。落ち込む仲間を砂辺くんは前向きに支えました。
砂辺選手「知花がいないから負けたって言われたくないんで、いなくても俺たちはできるんだっていう、知花に安心させてやりたいっていう感じで」
打の要の不在はチーム全体に不安が広がりましたが、他のメンバーの思いも一つでした。
上原辰巳主将「本人も相当落ち込んでいて、知花も悔しがっていたので、お前の分もしっかり頑張るからって言って」
砂辺くんをはじめメンバーに支えられた知花くん。仲間の思いを受け、決して下を向くことはありませんでした。
知花選手「自分が苦しい時にそうやって周りのメンバーが言ってきてくれたんで、自分は下を向いていないで上を向いて、早くけがを治してまたみんなと一緒に練習できるように頑張るという気持ちがありました」
宮古ナインの怪我をした仲間を思って迎えた春。主砲がいない中でもメンバーたちは、ベスト8まで勝ち進むことができました。
知花選手「とても嬉しかったですね。今はもう完ぺきに近いほど治ってきているんで、いつも全力で頑張っています」
4番の怪我を乗り越えて、チームに生まれたのは、上を目指す向上心と仲間を想うチームワークでした。
砂辺選手「知花が怪我をしてチームが落ち込むんじゃなくて、ここから上がっていけるっていうそういうスキルは身についたと思います」
そして知花くん本人にも、ある変化が生まれました。
知花選手「(春までは)自分が結果出せばいいやみたいなそういう気持ちだったんですけど、今はチャンスの場面でも、とにかくチームの勝利のために頑張ろうっていう気持ち」
何よりもチームのために。どんな時でも下を向かない!前を向いて上を向いて!宮古ナインこの夏の頂点を目指します!
『行くぞ甲子園!』