亡き恩師に誓う夏の勝利
さて、夏の甲子園を目指す高校野球沖縄大会はいよいよ今度の土曜日に開幕します。めざせ甲子園、きょうは夏の第1シード、沖縄尚学です。
投打にバランスのあるチーム力は今大会、出場63チームの中でも筆頭にあげられる沖縄尚学。最後の夏に向け、基本を体に染み込ませるように練習は厳しさを増している。
比嘉公也監督「だから何なんだよ、同じ人が何回も同じ失敗して」
沖縄高校時代を含め、春夏通算13度(春6度※2度の甲子園優勝、夏7度)甲子園に出場した。彼らの目線の先にはすでに甲子園がある。
岡留英貴投手「自分たちは甲子園で勝つために練習しているので」
與座巧人投手「自分たちは今、甲子園に行くための練習じゃなくて、甲子園で勝つための練習をしているので」
この夏、投手陣は3本の柱。エース河野哲平はこの春最速の144キロの力のあるボールに加え、カーブ、スライダー、チェンジアップを織り交ぜる。
さらに、河野と並び立つ、岡留英貴もMAX142キロのストレートと三種類の変化球が武器。そしてケガから復活した左のエース與座巧人が控える。
一方、高い潜在能力を持つ選手がそろう攻撃力は上位から下位まで「繋がる」打線が持ち味だ。その打撃陣にあって異彩を放つ選手がいる。
沖尚3番バッター。砂川リチャード。この夏注目のバッターは、身長187センチ、体重106キロ。チーム一大きな体格から降りぬくバッティングは高校通算26本のホームランを放ち、相手チームにとっては脅威そのもの。
比嘉公也監督「相手への圧力というのはチームで一番持っていると思いますので」
木村哲太主将左「(リチャードは)頼りになる存在だと思います」
砂川リチャード選手「自分が打てばチームも勝てると思うので自覚をもって。良い調子で戦いたいです」
そして砂川以上にチームの打の要となるのが監督が最も信頼するバッターとして名前を挙げる1番バッターの安里大心だ。二人は幼稚園からの幼馴染。一緒に甲子園を夢見てきた。そんな二人には、この夏、甲子園出場を誓った一人の恩師の存在があった。
夜9時過ぎ、居残り練習を終えて、他の部員よりも遅く家に戻った安里くん。帰ってくると、すぐに部屋からバットを持ち出し再び外へ。毎日続けている素振り。部員の誰もが「努力家」と認める安里くん。部屋には野球への思いが詰まっていた。
安里大心選手「結果で恩返ししたいので甲子園に絶対行きたいと思っています」
そう言って、いつも持ち歩くカバンからあるものを取り出した。
安里大心選手「これは亡くなった先生からいただいた年賀状なんですけど、夏の大会も観に来ると言っていたんですけど、来られなくなったので甲子園に絶対行って、上からでも見せてあげたいと思っています」
二人の中学時代の恩師だった福地(ふくぢ)芳友先生、今年1月の事故で亡くなった。毎年、年賀状を欠かさなかった福地先生。ことしの年賀状には最後の夏へのエールが。
「大心も最後の夏へ向けて期待しています!試合観に行きます!」
安里大心選手「先生には会えないですけど、どこかで見てくれているので自分たちしてこれから先生もうれしいと思ってくれると思うので絶対甲子園に行って、甲子園でも活躍したいと思っています」
亡き恩師への思いは砂川くんも同じ。
砂川リチャード選手「甲子園に行ったら俺も行くからなって。(涙ぐむ)すみません」
きのう、大会開幕を前に、福地先生の実家を訪ねた安里くん。あらためて恩師への誓いを立てた。再び、甲子園への夢に向かって、それぞれの負けられない思いを胸に、沖縄尚学の夏が始まる!
安里大心選手「(福地先生を)甲子園には絶対連れていきたいと思っています。仲間達とも最高の学年なので、最高の夏にしたいです」
木村哲太主将「今までやってきたことを全て出し切って、最後は絶対優勝して甲子園にいきたいと思います」
「絶対勝つぞ!オ~~!」
沖縄尚学は、2回戦から登場。宜野湾と那覇との勝者と対戦します。めざせ甲子園、あすは宮古高校です。