試練乗り越え チーム一丸
7校目のきょうは那覇国際高校です。練習時間の少ない進学校のチームには、新チーム結成後の大きな壁を乗り越え成長した夏への物語がありました。
春の大会でのベスト16の結果を自信に変え、夏に向けて練習に磨きをかける那覇国際高校。しかし、チームにとって、これまでの道は、決して平たんではありませんでした。
伊禮颯主将「自分も正直きつかったが、キャプテンなのでチームのモチベーションを下げないようにどうやっていこうか悩んだ。副キャプテンと一緒にチームを引っ張っていこうと思っていた」
新チームで挑んだ去年秋の大会、初戦敗退をきっかけに始めたのは、ピンチに動じない集中力や粘り強さ、スタミナを養うための厳しい冬場の体力トレーニングでした。
ほとんどボールを握ることもなく、走り込み中心のメニューを課したのは、春までチームを率いた島袋春樹監督でした。
ところが、実戦を積みたかった選手達は、この監督の練習メニューに反発。監督と意見が対立します。
伊禮颯主将「冬トレ期間中は週に2回しかボールに触ることができなくて結果も出ずにいたので、チームも不満を持っていたので、それを『チームの全員は(監督を)信用していない』と伝えた」
選手達の思いを知りながらも、島袋監督は「今チームに必要なこと」を選びました。
具志川高校・島袋春樹監督「絶対に実を結ぶからと。やるからには徹底してやろうと」
そして、秋1回戦で敗れたチームは、この春の大会でベスト16の結果を残しました。「練習は嘘をつかない」ことを実感したのです。
その後、具志川高校への異動が決まった島袋監督。最後は選手たちの胴上げで学校を後にしました。
具志川高校・島袋春樹監督「最後はとにかく笑顔で終わりたいと。一緒にやれて、僕の方からありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです」
伊禮颯主将「自分たちはまだ春樹先生に恩が返せていないので、春樹先生が教えてくれた野球で、夏もどんどん勝ち進んで恩返しがしたい」
県内屈指の進学校でもある那覇国際。授業は朝7時半から夕方4時半まで行われ、毎日の練習時間は1時間半ほど。
受験勉強で女子マネージャーが練習を離れる中、チームを支えたのは唯一の3年生でした。
女子マネジャー・末吉愛架さん「が文句を言いながらもちゃんと走っていたりして、みんななりに頑張っていました。最後は悔いを残さないで、みんならしいプレーができたら」
目立ったエースや大黒柱はいませんが「全員野球」をテーマに、限られた時間の中で、練習を積み上げています。
我那覇大毅選手「たとえ自分が活躍できなくて打てないときでも、自分が守備のリズムを作っていくのが仕事だと思っているので。一打席一打席で自分のやるべきことをやろうと思う」
大きな壁を乗り越えて、ひとつになった選手たち。チームが手にした粘り強さを武器に、この夏を戦います。
『絶対勝つぞ!オー!』