沖縄県内で6歳未満の子どもを育てている世帯数はおよそ7万世帯。そんな子育てに奮闘する家族を応援したいと始まったフリーペーパーがあります。それを制作しているのは、子育て中のお母さんたち。手作りの雑誌はお母さんたちの大きな味方となっていました。
小さい子どもを連れたお母さんたち。おしゃべりを楽しんでいるのかと思いきや、これがいつもの仕事風景なのです。
保志門るり江さん「みんな自分の悩みとか今興味あるものとか、わーっと話し始めるので、その中でみんなこれ面白いね、これ今度いけるんじゃないっていうのとかが次の記事のネタになったりとか」
そんなおしゃべりから生まれたのは沖縄の子育て世代のお母さんのためのフリーペーパー「たいようのえくぼ」。
県内の子育て情報を集めるのに苦労したお母さんたちが2008年に立ち上げたもので、妊娠中のアドバイスから子ども連れで楽しめるスポットまで、お母さん目線の情報が詰まっています。
本土で働き、妊娠を機に沖縄へ戻ってきた保志門さんも子育てに悩んだ一人でした。
保志門さん「特に生んだ直後とかは、自分自身親になりたてだから、どこに子育て情報が転がってるかも全く知らなくて。聞いても周りもまだ子どもがいなかった頃だったので、自分で探さないといけないっていうことで、だいぶ苦労したんですよ。第1子目の時は」
集まったメンバーはほぼ全員が素人。しかし、それぞれの得意分野を生かしながら、写真の撮影、記事の作成、協賛の企業へと歩き回り、毎号2万部を発行しています。
特に読者から人気なのは「ぐるっとドライブ」のコーナー。子どもと一緒に車で出かけるのにオススメな場所を紹介しています。
さまざまな地域の子育て支援センターへ出向き、地元のお母さんたちとオリジナルマップを作りながら情報を集め、徹底的にお母さん目線を貫きました。発行された冊子は、幼稚園などで配布され多くのお母さんたちを手助けしています。
読者ママ「これは使える！と思いました。毎日、子どもどこに連れていこう、どこで遊ばせようっていうのが、やはり悩みなので。これを使ってどんどんいろんなところへ行こうと思いました。私は本土出身なので行ったことがないところが多いんですけど、子どもができて、行けるところっていうのもやっぱりあって、そういうのがたいようのえくぼにたくさん載っているので、とても参考になります」
読者ママ「サイクリングが好きなので、ドライブマップを見て自転車で。」
読者ママオ「車ででたとき1冊車にのってると、出先でここにこういうお店があるからっていうので参考にさせてもらうときとかあります。助かります」
お母さんたちに本当に必要とされている情報にこだわったことが評価され、「たいようのえくぼ」は今年スミセイ未来大賞と文部科学大臣賞を受賞しました。
保志門さん「フリーペーパーの活動をつくるっていうやりたかった活動を、評価して頂いたことがすごくうれしくて。スタッフのママたちや企業さん、支援センターのスタッフの方、協力して頂いたり。このフリーペーパー1冊作るのにも沢山の協力がないとできなかったので、こういう賞がもらえましたよっていうのが、恩返しができたような気持ちになってすごくうれしかった」
保志門さん「ずっと継続できるような雑誌に育っていけばいいというのと、こういう活動が続いていけばいいと思っています。どんどん若い子どもをもったばかりのお母さんたちとかが参加して、ずっと継続できるような活動にしていきたいと思います」
お母さんたちの経験と知恵がつまった「たいようのえくぼ」。これからも、子育てに奮闘するお母さんたちを優しく照らします。
お母さんたちのエネルギーがすごいんです。ミーティングのときも、作業中のときも、ずーっと子育てに関するアイディアやおしゃべりをしている。「たいようのえくぼ」に関わっているお母さんたち自身が生き生きしているから、読者にもワクワクするコーナーやそれ知りたかった！っていう情報が発進できるんだなと思いました。
「たいようのえくぼ」を知ってから外出の機会が増えたとかママ友だちができましたという声もあって、お母さんたちの強い味方だと感じました。
年に3回の発行。あす4月14日が今年1回目の発行です。コンビニや児童館、市役所などで配布しています。
