伊波「楽園の海案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。きょうは「スローで見る海の世界」です」
長田「水中生物には、じ~っとしてて全く動かない生き物もいれば、すばしっこく泳ぎまわる生き物もいます。今日は、少し動きの速い生き物を、スローモーションでご覧頂きたいと思います」
伊波「スローで見る海の世界って楽しみです。早速、見て行きましょう」
長田「まずは普段よく見かける光景から」
伊波「イソギンチャとカクレクマノミですね!」
長田「ちょこまか動く姿が可愛らしいんですが、なかなかしっかりと表情を観察することが出来ないんですよ~でも、4倍スローで見てみると…」
伊波「イソギンチャクの触手の合間を上手に泳いでいるのが分かります」
長田「はい、可愛らしい表情もはっきりとご覧いただけますよね」
伊波「ヒレの使い方までよくわかります」
長田「左右のヒレを交互に動かしながら、バランスを取っているんです。続いては、ヘラヤガラがエサを狙っている時のヒレの動かし方同じく4倍スローです」
伊波「こちらも微調整しながら泳いでいるのがわかります」
長田「胸ビレもこのように動かしてバランスを取っているんですよ」
伊波「さて続いては?」
長田「愛嬌のあるクロハコフグです。まずは標準スピード」
伊波「凄く早く全部のヒレを動かしているように見えますよ!」
長田「4倍スローにしてみましょう」
伊波「胸ビレの使い方が交互に煽っていて、なんだか踊っているみたいですね」
長田「シッポの近くのヒレは同じ側に羅折れます。1回転する時は尾ひれを曲げてかじ取りするんですよ。振り返った時の表情は…」
伊波「あ、おちょぼ口で可愛い」
長田「なかなか普通のスピードではここまでしっかりと見られないんです。こちらは、ヒメジの仲間オジサンのエサ探し」
伊波「こちらも早くて動きがよくわからないですね」
長田「4倍スローモーションで見てみましょう。味を感じることができるヒゲ2本を使ってエサを探しています」
伊波「砂の中に隠れているエサを見つけようと頑張ってますね。あ、一瞬ぱくっとしました!」
長田「偶然にもエサを食べた瞬間だったようです」
伊波「続いては?」
長田「こちらはコモンヤドカリ」
伊波「移動するスピードはそんなに速くありませんね?」
長田「そうなんですが、目の下にある顎脚と呼ばれる部分の動きが凄く早いので、16倍スローで再生してみました」
伊波「ちょこまかと細かく脚を動かしていますね」
長田「普段は、エサを口に運ぶときに、この顎脚を使っているようですが、この時は何のために動かしているのか、スローで見ても分かりませんでした。お次は、先日もご覧頂いたジョーフィッシュのお家作り」
伊波「私のお気に入り、パッチリおめめのお魚ですよね!」
長田「穴の中の砂を吐くシーンは普通のスピードでは一瞬の出来事。こちらも16倍スローでご覧ください」
伊波「少し身体を前のめりにして吐くんですね」
長田「そうなんです。そして、少し口に残った砂を吐く。アップでもう1度見てみましょう」
伊波「あ、吐き出す直前に口を大きく横に広げるんですね~続いては何でしょう?」
長田「最後はイバラカンザシの引っ込む姿」
伊波「動きが速すぎて、全く見えないですね!」
長田「そうなんですよー。なので40倍スロー。気配を感じてから、本当に一瞬で全身を引っ込めるワザ。」
伊波「スローにしても動きが分からないくらい、速いですね~」
長田「なかなか肉眼では見られない世界は、どうです?」
伊波「スローで見ると、あ、こんなに速い動きでこんな繊細な動きしているんだなーってことがわかりますよね。今日も、キレイな映像をありがとうございました。以上楽園の海でした。」