辺野古への新基地建設の賛否を問う県民投票の実施へ向け、オール沖縄会議が、検討していることが分かりました。
オール沖縄会議の関係者によりますと、県民投票の実施は翁長知事が「必ずやる」と明言している、埋め立て承認撤回の背後に大きな民意があることを示し、工事阻止につなげる狙いがあります。
しかし、県民投票に至るまでには有権者の50分の1以上の署名を集めたうえで、議会で県民投票条例を制定する必要もあり、準備には半年以上かかるとみられるなど、困難も予想されます。
ただ辺野古では土砂を投入する護岸工事の着工が目前に迫っているため、オール沖縄会議の内部でも県民投票への意見はまとまっていないということです。
沼尻アナウンサー「ここから久田記者です。「撤回」を急ぐよう求める声もあるなか、県民投票の検討はなぜ今なのでしょうか?」
久田記者「撤回を確実に工事阻止につなげたい翁長知事が、万全を期すべく準備しているのでは、と考えられます。実は、先月25日に翁長知事が「撤回」を明言する前から、県民投票に向けた準備を急ぐべきだと考えていた人はいましたが、知事の意向が周辺にはっきりと伝わったことで、支援者たちがやるべきことが見えてきた、ということなんです。それが、県民投票へ向けた準備だったんですね」
沼尻アナウンサー「過去には県民投票した例がありますよね。
久田記者「はい。県内では21年前にも県民投票が行われた実績があります。日米地位協定の見直し、アメリカ軍基地の整理縮小を求める投票で、全国でも初めての県民投票で、賛成票は投票総数のうち89%に上りました。しかし地位協定や基地の過重負担の現状は変わっていません。しかし今回は、知事が撤回すれば、再び法廷闘争にもつれ込む可能性があり、当時とは異なる事情があります。その時に、県民投票の結果が重要になるのではないかと、指摘する有識者もいます」
テレピック武田教授「沖縄県民は埋立てにまったく納得していない。署名を集めて、その結果として県民投票が行われ、埋め立てに反対する強い民意が結集できれば、これはさすがに裁判所も、撤回の必要性よりも国の不利益が上回るとは言いにくくなると思います。今沖縄県民は知事に頼るだけではなくて、行動によって知事を支えることが必要ではないか、私はそのように考えています」
久田記者「こうした意見がある一方で、辺野古移設を容認する県政野党からは、「96年当時とは違い、県民全体が辺野古反対でひとつになっているとは言えない」として、基地建設の阻止人はつながらないだろうと、県民投票の意義自体疑問視する見方もあります」
沼尻アナウンサー「仮に低い投票率だったり、新基地建設を容認する票の割合が相当数あった場合は、かえって撤回できなくなるという、知事にとってはリスクもにらみながら知事がどう判断するのか、ということになりそうですね。以上久田記者でした」