こんにちは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで主役になることを目指すアスリートを紹介する2020の主役たちです。今回は、車いすの陸上競技から。
以前、期待の新星として紹介した喜納翼選手が驚きの勢いで成長を遂げています。その強さの秘訣に迫りました。
宜野湾車いすマラソン、女子の部2連覇!大分国際優勝!名古屋ウィメンズ2位、東京マラソン日本人女子1位!いまや、日本の車いす陸上界注目の選手となっている喜納翼選手。留まることを知らない成長を見せています。
喜納翼選手「陸上が前よりも楽しくなってきました。漕いでいても、キツイって感覚よりも楽しいっていう感覚が大きくて」
もとはバスケットボールの選手で、高校時代には国体にも選出された喜納選手。その後、トレーニング中のケガで腹部から下の自由を失っていまい車いす生活となりましたが、持ち前の明るさと前向きさで陸上に打ち込み競技歴わずか4年ほどで、東京パラリンピック候補に名前が上がるまでになりました。
喜納翼選手「自分の性格上、(東京パラに)あまり行きたいと思いすぎると空回りしちゃうところがあるので。なので…行きたいって思ってるかって言ったら…思ってないって言ったら嘘なんですけど笑」
喜納選手の強さの理由について、指導する下地コーチは使用する競技用車いす・レーサーにあると言います。
下地コーチ「ハンドリム、この位置ですね、ここを回して漕いでいくんですけど直径が38㎝ありまして、腕の長さで上から後ろまで漕げる選手とそうでない選手がいて」
さらにレーサーの全長は1m85㎝。通常は体の大きい男子選手が使うサイズです。
下地コーチ「海外の選手と比べても、翼は体のサイズが大きい、それをしっかり乗りこなせる力があるというところですかね」
さらに喜納選手はレーサーを漕ぐ際に腕の長さが武器となります。
一般的な女子選手が180度ほど漕ぐと言われているのに対し、腕の長い喜納選手はより大きく漕ぐことができその分、1回で他の選手以上にスピードをつけることができます。また、飽くなき追求心が成長を加速させます。
喜納翼選手「このノートは、朝起きた時から練習の内容が主に書かれていますその日の練習で自分が感じたこととか言われたこととかを書いています」
時にはイラスト付きで、学んだこと、これからの課題を書き込んでおき、振り返りながら練習に取り組む喜納選手。そこに、新しいものも積極的に取り入れていきます。
喜納翼選手「夜に炭水化物を取らず、そのまま朝を迎えて、朝軽めの運動をすると炭水化物ではなくて、体にたまっている脂肪だとかそういうものをエネルギーに変えるような働きが体の中で出来てくるようでそうすることで持久力が強化されるみたいなんですね」
そして固めた土台の上に積み重ねるのは、圧倒的な練習量。
下地隆之コーチ「1番多い時期で月間”800キロ”、ロード・トラック合わせて走っているので、そういった練習量を積んだということが彼女の自信にもつながっていると思いますし」
喜納翼選手「距離が長いので、色々と考える時間もあるんですけどもだいたいきつくなってきた時には、本当に今ここを頑張ったら応援してくれる人は、帰った時に「頑張ったね」って言ってくれるかなとか喜んでくれるかなとか、そういったことを考えながら走っています」
ここまで競技に打ち込めるのは支えてくれる人たちへの思いからと話す喜納選手。その最高の恩返しの舞台となるのが2020・東京です。
喜納翼選手「支えてくれる人たちに結果で返したいという思いがあるので。まだパラ大会に向けての実感が持てたわけではないんですけども少しずつリアルな感じを帯びてきているのかなと思います」
夢の舞台に立つその日まで、喜納選手の成長は留まることを知りません!
喜納翼選手「東京に向けて、1つ1つできることを頑張っていきたいと思います」
喜納選手は来月ロンドンマラソンに出場予定ということです世界との戦いが始まっています。以上2020の主役たちでした