こちらは3月25日辺野古のゲート前で開催された新基地建設反対集会です。主催者発表で3500人が参加した集会に翁長知事が参加、あらためて県民に、政治的立場の違いを乗り越えた団結を訴え、「埋め立て承認」の「撤回」を必ずやると確約しました。
集会で話す山城議長「我々は屈しない、県民は屈しない。差別と犠牲を強いられるものが、くじけないで頑張り続ける姿を、私たちは発信しようじゃないですか」
5カ月に及ぶ身柄の拘束を経て保釈された抵抗運動のリーダー、山城博治さんも姿を見せたゲート前に、25日、翁長知事も、就任後初めて、足を踏み入れました。海上では工事が進む中、参加者の中には、知事への期待、焦り、様々な声が渦巻いていました。
参加者は「リップサービスじゃなくて本当に今、『今やらなくては』なんだ、という形を示してほしいですね」と話していました。
次なる対抗策を求めて演説に聞き入る支援者たちに、翁長知事はまず、政治的な立場を乗り越えた県民の団結を、あらためて訴えました。
翁長知事は「保守革新を乗り越えるということだけでも大変です。私たちは包容力を持って心をひとつにして、そして新辺野古基地は絶対に造らせないというですね、これをやっていきたいと思っているわけであります」と話しました。
翁長知事「私はあらゆる手法をもって、撤回を、力強く、必ず、やります」「チバラナヤーサイ!ナマカラドゥヤイビーンドー、ナマカラドゥヤイビーンドー!」
ここから久田記者とお伝えします。今回、知事が承認撤回を明言しましたね
久田記者「はい、まず言葉の確認からですが昨年末まで国と争っていた裁判で議論された、「取り消し」と「撤回」の違いをあらためて確認しましょう」
久田記者「「取り消し」は埋め立て承認時にさかのぼって違法だった場合に行うもの。これに対して「撤回」は、いまの時点で埋め立て承認が公益に反するので、これから先の効力をなくす、というもので「撤回」を主張する場合、翁長知事が公益性をどう判断するかが問われています」
国の反論も予想されますし、「埋め立て承認が県民の公益に反している」と言える根拠が必要ですね。
久田記者「はい、「撤回」には、その十分な根拠として何を提示するのか、ということが焦点になってくると思います。専門家の意見をお聞きください」
武田真一郎教授「私は沖縄県全県で、県民投票を実施して、民意を明らかにすることが一番効果的なのではないかと考えています。今沖縄県で県民投票をやれば、県民投票の結果と知事の撤回権を結びつけることができるんですね。したがって県民投票の効果がそのまま撤回に反映するわけですね、法的にはこの点も非常に重要だと思います」
久田記者「お話を聞いた武田教授は、埋め立て承認「撤回」の前に、県民投票によって再び民意を明らかにすべきだ、という意見でした。民意は何度も示されているはずだ、と思う方もいると思いますが、「撤回」が法的に工事を止められる最後の手段になる恐れもあるなかで、ベストを尽くしておく必要がある、ということです」
時間との闘いのなかでも、慎重さが求められる、ということですね。ありがとうございました。
さて、一方、きょう、菅官房長官は、承認が撤回された場合翁長知事個人へ損害賠償を求めることもありえるとして、県への牽制を強めています。