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沖縄戦で亡くなった人の遺骨の多くが未だ土の中に眠ったままです。3年前、浦添市で遺骨で発見された日本兵の遺族が家族の最期の場所を訪ねました。
空港に到着したのは東京に住む田端一夫さんと栄子さん夫婦。迎えたのは遺骨を遺族の元へ返した沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表です。
具志堅さんは3年前、浦添市前田の壕の跡で、「田畑」と刻まれた印鑑とその傍らでうつ伏せになった状態の遺骨を発見しました。DNA鑑定の結果発覚した遺骨の主が一夫さんの父・耕三さん。壕から出ようとしたところを敵に撃たれその地で眠っていたものとみられています。
田端一夫さん「ここなんだ。へぇ」
一夫さんは、土地が整備され、現場の様子が変わってしまう前にとこの地を訪れることにしました。
田端一夫さん「ここに、68年、69年、埋まってたんですか・・おやじ頑張ったんだね。とにかく真面目一辺倒で、酒もタバコもやらない。だけどもあとからおふくろから話をきくと酒もタバコも覚えたよっていうような沖縄からのハガキが最後だったみたいで」
遺族を案内できたことに、安心した表情を見せる具志堅さんですが、一方でまだ沖縄の地で眠る多くの遺骨にこんな思いを語っています。
ガマフヤー具志堅隆松代表「ほとんどの人がかえれていないです。そういった兵隊であれ、住民であれ、DNA鑑定をやって、家族のもとに返す、これは国がやらないといけないことです。」
ずっと父の、夫の帰りを待ちわびていたと言う田端さん一家。家族の最期の場所を訪ね、こう語りました。
田端一夫さん「ずっと思い続けるってことがこういう結果に結びついて。変な言い方ですけれども私どもは幸せだなと思います」
遺族の高齢化も進む中、一人でも多くの遺骨がこうして家族の元にかえれることを願います。