これまでとは一転、口利き疑惑を認めました。
1月23日に辞職した安慶田元副知事による県の教員採用試験や教育庁人事に絡む口利き疑惑について、県はこれまで否定し続けてきましたが、平敷教育長は24日に会見を開き、新たな証言が出たとして「働きかけがあった」と口利きを認めました。新証言にはどう喝もあったと記されています。
24日の会見で平敷昭人県教育長は「書面の内容を確認したところ、これを裏付ける証言があったことから、前副知事からの働きかけがあったと言わざるを得ないとの結論に至りました」と話し、諸見里明前教育長の署名入りの文書を公開した上で、副知事による働きかけがあったことを認めました。
教員採用試験を巡っては「部屋に入ったところ、副知事からメモ用紙を渡された。そこには3名の受験番号、教科、氏名が記入されており、『よろしくお願い』『無理しなくてもいい』と言われた」とし、また県教育庁人事についても「(対象者を)異動させないようにとの意見で一致したことから、その旨、副知事に伝えた。その際に激しくどう喝されたのを覚えている」と文書を読み上げていました。
渦中の安慶田元副知事は24日の報道陣の取材に対し、「ノーコメント、ノーコメント、あとからコメント出すから帰って」と話しました。
一方、翁長知事は「任命責任という意味では、やはり今の行政が停滞することから含めて、あるのではないかということで重大に受け止めておる。安慶田前(元)副知事に改めて問い直したい気持ちと同時に、調査に協力してもらえるように呼びかけたい。(事実を関係)確認をしていきたいと思う」と述べたうえで、第三者による調査については明言を避けました。
スタジオには、野島記者です。平敷教育長の言う新証言。知事はいつ聞いたのでしょうか?
野島記者「翁長知事はきのうの辞任会見前に、すでに教育長から一報を受けていたことがきょうの会見で新たにわかりました」
ということは新証言の内容を知った上で、きのう午後の会見の内容だったのでしょうか?
野島記者「はい。そうですね。ただ今日の会見で知事は、その時点では他の幹部の聞き取りがまだだったため、明らかにできなかったと説明しています。こうした状況から、県政野党の自民党は、昨日に続き会見を開き、来月の県議会で百条委員会の設置を求めていくとしました」
自民党県連・照屋守之会長「(前教育長が証言した)事実を隠蔽した後に23日の(副知事の)辞職を承認したという、そういう風に受け取られても仕方がない。知事がそういう風な事実をわかりながらやったとすると、この問題は県知事の非常に大きな責任問題に関わってくる」
野党・自民党としては、この問題をしっかり追求していくという姿勢なんですね。
一方で、県としても、今回の問題について自ら改善する力が求められるが、真相究明や改善のための第三者委員会などを設置する動きはあるのでしょうか?
野島記者「きょうの会見で知事は副知事に改めて問いたいとしましたが、第三者による調査には未だに踏み込んでいません。ただ、県の調査も必要ですが、ここまで渦中の安慶田元副知事は否認したままで終わっています。副知事という要職にあった方ですから自らによる説明が必要です」
来月には、県議会も開かれますが、今後、どのような展開が予想されるのでしょうか?
野島記者「今後、辺野古をめぐり訪米したり、政府と交渉していく翁長知事として、まずは県内での信頼回復が喫緊の課題となっています」