こんばんは、ここからニュースQプラスです。オスプレイの墜落事故からきょうで1カ月です。墜落の原因が究明されない中、住民の不安をよそに訓練が再開されていることに「県民不在」だと、反発が強まっています。
沼尻和樹「名護市安部の墜落現場です。多くの報道陣が駆け付けていますが、沖縄県警、アメリカ軍が取材を規制していてなかなか機体に近づくことが出来ません」
棚原勝也「大破したオスプレイの姿があります。特徴である大きな黒い羽根は、その姿をとどめていません。衝撃の強さを物語っています」
大矢英代「今、機体が浮かび上がりました。飛行中止を求める県民の声は、またしても置き去りにされる形で、オスプレイの飛行が再開されました」
謝花尚「見える見える!信じられない!事故現場近くの上空をオスプレイが飛んでいます」
さらに、原因とされた空中給油訓練も、年明け早々、1カ月を待たずに再開され、県内では、反発の声が高まりました。
那覇市内男性「反対だね、何も原因がはっきりさせないでさ、一方的に押しつけて。沖縄を馬鹿にし過ぎている」
翁長知事「県民に寄り添うと言いながら、米軍の要求を最優先する政府の姿勢は、信頼関係を大きく損ねるものであり、強い憤りを感じております」
墜落現場となった安部区での住民説明会でも不安の声が相次ぎました。
男性「こんな静かな部落に、これが落ちたために皆寝られない」
女性「オスプレイに限らずヘリの音を聞いて、それがどんどん近づいてくると、大変怖い思いをする」
沖縄防衛局 伊藤晋哉企画部長「我々としてオスプレイの(配備)撤回を求めるということまで申し上げられるというものではない」
男性「(住宅地上空を)通らないようにするという話だが、そう言っても、米軍のことだからそういうのは関係ない」
名護市安部区 當山真寿美区長「あっという間に1カ月になってしまったが。本当にどこを飛んでたかと言うことと、ちゃんとした本当の原因、そして(環境)汚染。今調査をしていてその結果を待っている状況だが、それが早く聞きたい。実際にこちらの立場になって考えたらわかると思うが。早くまずは説明して頂いて、(区民の)不安を取り除いてほしい」
ところで、2年半前に普天間基地所属のオスプレイが雷に打たれ損傷した事故について、新たな事実が発覚しました。海兵隊は当初、飛行中の落雷ではないとしていましたが、実際には、市街地上空を飛行中の事故だったことが明らかになりました。
フリージャーナリストのジョン・ミッチェルさんが入手した事故報告書によると、2014年6月26日、岩国基地から普天間基地に戻る途中のオスプレイが、宮崎県小林市上空で落雷に遭い、機体の一部を損傷したまま普天間基地まで飛行し着陸しました。
落雷時、機体は、閃光と共に乱気流に巻き込まれたということです。着陸後に機体を確認すると、胴体下部に痕跡が見つかったほか、プロペラの一部も損傷を受けていました。
事故は当初、最も深刻な「クラスA」に分類されましたが、その後、2段階引き下げられていました。事故当時の取材に対し、海兵隊は、飛行中の落雷について、「兆候はなかった」と否定していました。
墜落事故から1カ月。現場のすぐ近くの上空には、きのうもオスプレイの姿が。私たちには、何も明かされないまま飛び続けています。
事故原因が究明されないままでもオスプレイの訓練を再開させた背景には「アメリカ軍の訓練再開」のほうが県民の命や安全よりも上回っているということのようにも思えます。
日米安全保障のために沖縄の暮らしが脅かされるのであれば本末転倒です。