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きょうは投開票が1か月後に迫った浦添市長選挙について、取材にあたっている久田記者とお伝えします。まず予定候補者の顔ぶれからです。

争点は?政策は? 浦添市長選まで1カ月

2期目を目指す現職の松本哲治さんと、新人で浦添市議会議員の又吉健太郎さんの一騎打ちの構図となっています。

松本さんは1期目、政党の支援を受けていませんでしたが、今回は自民、公明の推薦を受けて闘っています。

一方の又吉さんは社民、社大などの支援を受けるほか、維新の党も又吉さんを支持しています。

どんなことが注目されますか。

どちらも挙げているのが「待機児童問題」です。松本さんは、認可保育所の受け皿を拡大してきた実績を強調し、これを拡大していくとしていますし、又吉さんも同様の定員増と幼稚園での3歳児保育を実施、といったことを掲げています。

また、浦添市では西海岸開発という大きな事業があります。これらを産業振興につなげたいという点も共通していますが、那覇軍港の移設という問題が足を引っ張っています。

では両者の違いが見える、争点は何でしょうか。

開発をめぐる手法の違いがあります。松本さんはリゾートの視点を取り入れた見直しが必要との主張です。一方、又吉さんは現行計画を基本とし、1年以内に事業に着手したいとしています。

ただ、軍港問題で停滞してきたこの問題そのものより、それをめぐる「公約」のありかた、政治への信頼が問われる選挙となりそうです。

松本さんは、三つ巴の激戦となった前回の選挙で、那覇軍港の移設受け入れ反対を明確にして当選。しかし、市長就任の2年後には軍港受け入れに転じました。

松本哲治さん「『松本哲治』」と書けば、軍港が来ないかもしれないと期待をして入れて頂いた方には、私は本当に申し訳ないという思い」

松本さんは、前回の選挙戦当時「翁長那覇市長が移設と返還を切り離して那覇軍港の早期返還を求めた」とする報道があったことをきっかけに、移設を受け入れる必要がなくなるとして軍港反対を掲げたものの、現実には早期返還を求めるアクションがなかったとして、公約を撤回したと説明します。

争点は?政策は? 浦添市長選まで1カ月

松本哲治さん「国、県、那覇市と足並みを揃える形で、元に戻して容認となりましたので、反対という公約は苦渋の決断として取り下げざるを得なかった」

又吉健太郎さん「私は人を裏切りません、政治姿勢を変えません。もしそうなったら、職を辞する覚悟です」

一方、公約を必ず守るとの姿勢をアピールし、政策発表の会見で、公約集の表紙に署名してみせた又吉さん。

又吉健太郎さん「選挙で訴えていることと、実際にやることがここまで乖離してしまっているということは前代未聞の。多くの浦添市民から怒りの声が聞こえてきています」

ただ、又吉さんの公約集には、那覇軍港の浦添移設は「市民の民意を尊重し、市民投票を実施」とあり、自身の賛否は明らかにしていません。

一方で、軍港以外を含む西海岸全体の開発については、軍港移設容認の立場を取る翁長知事、城間市長との連携を強調しています。

争点は?政策は? 浦添市長選まで1カ月

又吉健太郎さん「今回、軍港だけが大きな争点とは思っていません。なので軍港については、純粋に『軍港問題、浦添市民のみなさんどう思いますか』という市民投票を実施し、反対なのか賛成なのかというのが明らかになったうえで、翁長県政とはしっかり向き合っていきたい」

松本哲治さん「容認なら容認、反対なら反対ということを明確にして、それを選挙で問うと。それがなければ、すべての論点は選挙が終わった後に市民投票を行って、市民に聞いて決めましょうということであれば、そもそも選挙、あるいは選挙における公約の意味を問いかねない」

1期目の公約撤回に対する逆風がある松本さんは、賛否を明確にせずに戦う又吉さんを「公約隠し」だと指摘。選挙戦では批難の応酬がみられそうです。

争点は?政策は? 浦添市長選まで1カ月

松本哲治さん「まだまだ道半ばであると。もう1度挑戦をして、市民の負託を受けて、しっかりと浦添市政を前進させていかなければならない」

争点は?政策は? 浦添市長選まで1カ月

又吉健太郎さん「政治不信を払しょくし、市民から信頼される浦添市を取戻し、活力のある浦添を作り上げていく決意を致しました」

現時点で、軍港受け入れにNOという候補はいませんが、今の松本市長誕生のカギを握っていたのは軍港受け入れ反対の有権者だったとみられていましたので、今回そうした有権者がどう動くのか、注目されます。浦添市長選挙の投開票は来月12日です。