去年、沖縄で世界初!高校生によるカキ養殖プロジェクトが立ち上がりました。その名も「沖縄カキ革命!目指せ世界ブランド」。カキ養殖プロジェクトの舞台裏に密着しました。
沖へ出る1隻の船。向かった先は…
高校生「半端ないっす!めっちゃうまい!!」
実は沖縄はカキの宝庫。何と15種類以上のカキが生息すると言われているんです。しかし、県内では、まだ養殖に成功していません。「沖縄カキ革命!目指せ世界ブランド」。生徒たちの奮闘する姿を追いました。
沖縄県・糸満市にある「沖縄水産高校」
今回、カキ養殖を、一から指導してくれる講師の梅津聡(うめづさとし)さん。佐賀・有明海でカキ養殖を行っているプロフェッショナルです。
梅津さん「今回は仕上げをやる!仕上げっていうのはできたカキを、養殖したカキを持ってきて、色んな養殖方法を使って養殖していく」
今年度の目標は、一から養殖を行うのではなく「有明海のカキ」を持ってきてプリップリに成長させること。そもそも沖縄の海でカキが成長するかどうかを検証してみるというわけです。
この日は、カキを海に入れに行く大事な日。それにもかかわらず…
四方先生「あのさ、あなたは自分らを取りまとめているんやんな。前の日は先生の所に来て、明日の作業は、どうですか?って確認しないといけない」
カキ養殖の実習授業を担当している四方先生です。リーダー山内君の実習に取り組む姿勢に、苛立ちが募ります。
さらに…
生徒「今、走ってきているそうです」
集合時間に遅れてくる生徒たち。
四方先生「8時15分集合ってことは8時15分より前に来ていないといけないよね。お前らに学ぶ姿勢がなかったら無駄やないか!お前ら今、これ学ぶ姿勢があるのか!お前たちのことを向こうで待ってはる!いかだに船を運んでくれる人も!」
主役はもちろん生徒たち。彼らが前向きに取り組まないことにはこのプロジェクトの成功はありません。気持ちを改めいざ現場へ。到着したのは大宜味村。
実は大宜味村は宮城県石巻市でカキ養殖を成功させた日本のカキ王の異名を持つ「宮城新晶(みやぎしんしょう)」さんの出身地なんです。
沖縄で、カキ養殖が成功した例はありません。どのような方法が適しているのかを検証するため、今回、3つの道具が用意されました。丸い網の籠とバスケットと呼ばれる四角の籠。バックと呼ばれる小型の籠です。それらに牡蠣を入れて沈めます。
水深何mだとカキが成長しやすいか調べるため、深さを7m、5m、1mと変えます。
梅津さん「カキというのは、こういう揺れでは大きくならないからね。ゆっくり揺れるように」
生徒「生きるカキと死ぬカキが出ると思うのでこれを重ねていって沖縄ではほぼ死なないカキを作っていけたらいいと思います」
生徒たちが初めて手がける養殖ガキの引き揚げ作業の日です
生徒「(カキを)開けたいな」
果たしてカキは成長しているのでしょうか?
生徒「入っている!めっちゃ入っている!最高ジャン!先生!化け物が取れました!」
四方先生「おおー!!梅津さんに写真撮って送るわ」
1か月前と比べると一目瞭然。身が大きくなっています。特に水深1mのカキに身が入っていることがわかりました。
生徒「半端ないっす!!めっちゃうまい!やばい!」
四方先生「出だしの方は他人事のように、もう高いところで物事が動いているという意識だったんですがそうじゃない!自分たちが覗こうとしないと高いところは見えないと話をした。だんだん変わりだした」
沖縄カキ革命!目指せ世界ブランド。目標は沖縄原種のカキを、いちから養殖すること。彼らの挑戦は、まだ始まったばかりです。