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Qプラスリポートです。来年1月の宮古島市長選まであすで1か月。選挙の争点のひとつとして注目される陸上自衛隊の配備問題の行方について考えます。

ことし6月、下地市長が正式に受け入れを表明した今、何が起きているのでしょうか。

下地市長「宮古島への自衛隊配備については、了解いたします。以上です」

傍聴席「乱暴だ!」

Q+リポート 宮古島市長選あすで1ヶ月

陸上自衛隊の受け入れ表明した下地市長。それは、宮古島市にとって大きな転換でした。受入表明の8日前。宮古島市で防衛省が開いた、初めての住民説明会。そこで発表された配備地点は、2か所。

「大福牧場」地区には庁舎や弾薬庫、さらには射撃訓練場を配備。

現在、ゴルフ場となっている「千代田カントリークラブ」地区には、庁舎や訓練場などを整備する計画だと発表されました。

宮古島への自衛隊配備に、強い不安を抱く女性たちがいます。この島で子どもを育てる、母親たちです。

楚南有香子さん「そんな新しい基地が果たしてここに必要なんだろうかってまず疑問を感じたところがスタートですね」

さらに、重大な問題がありました。それは、配備予定地の地下水源です。これをめぐっては、影響を審議する第三者機関に宮古島市が報告書の削除・修正を求めていたことも明らかになりました。

Q+リポート 宮古島市長選あすで1ヶ月

学術部会の報告書案では、地下水源への影響について学術部会が出した、「恒久的に汚染する恐れがある」基地の建設についても、「認めることができない」といった結論を、審議会への報告前に確認した市側が削除・修正するよう求めていたのです。

楚南有香子さん「それでどうやって市民が事実を知ることができるんだろうって思っていて、すごくやっぱり市民としては、それはおかしいだろうって」

防衛省は、大福牧場地区を断念し、もう一か所への自衛隊配備計画をすすめる方針を市に伝えました。宮古島に配備されるのは、空と海に対するミサイル部隊。

敵の島への侵攻阻止や、作戦部隊のための防空が目的だとされていて、防衛省が公開している防衛白書には、離島を敵から奪還する作戦も行うとされています。しかし、その詳細は、市民には何も分からないままです。

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石嶺香織さん「国防でどうしてもこれが必要だ。市民もそれを納得する、それは必要ですねと。全くそれが成り立たない状態。自衛隊配備の受け入れを賛成している人にとっても理解できないような状態で進められていると思います」

そんな中、配備反対の声を上げたのが、予定地に隣接する野原地区の人々。いずれは県立公園ができると市から聞かされてきた住民にとって、 自衛隊配備のニュースは寝耳に水だったと言います。

野原地区の人々「(Q集落のみなさんとしては、いずれは公園ができるものだと思っていた?)そうそうそう。(Qいきなり自衛隊だったと)そうそうそう」

航空自衛隊基地のすぐ真横にある、およそ120人が暮らす野原地区。計画が進めば、ふたつの基地に挟まれるかたちになります。

野原部落・島尻信徳区長「どうして野原だけこういう基地の負担を補わなければいけないか」

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野原部落・平良信男さん「なんとか友好的に付き合いしていたにも関わらず、一キロもない。部落を挟んで、また陸上自衛隊か!って」

配備されるミサイル部隊そのものへの不安もぬぐえません。

野原部落・仲里成繁さん「結局、攻撃能力がある基地になるってことですから。これは抑止力どころじゃなくて、逆に攻撃される可能性が、標的となる可能性が大きいということだと思うので」

地元への説明が尽くされない中で、頭越しで進められる配備計画に不安の声は広がっています。