Qプラスリポートです。「モノづくりで沖縄の魅力を、県内外、国外へ発信したい」という革職人の男性がいます。彼が新たな素材として目を付けたのは、危険生物として避けられてきた、久米島の“あの生き物”でした。
久米島町フェア。島酒に、人気のスイーツなど久米島の特産品を一堂に楽しめるイベントです。人々が脚を止めていたのは・・・。
幸地賢尚さん「全てですね、ヘビの模様の部分なんですが、全て久米島のハブの革を使った製品ですね」
ハブの革を使ったという小物やアクセサリー!
女性のお客さん「ハブは縁起物だからね。お財布作ったらお金持ちになるかもね(笑)」
作っているのは、革職人、幸地賢尚さんです。
大矢「こんにちは。宜しくお願いします。わー素敵なお店ですね。オシャレ-!」
南風原町に4年前にオープンしたこの店舗。商品誕生の背景には、幸地さんのアイディアがありました。
幸地賢尚さん「駆除のために島民の方たちが役所に持ち込んだハブを僕たちが活用したいということで、久米島町にもユイファクトリーにもウィンウィンな関係が生まれるんじゃないかなというのは、考えていましたね」
大矢「わーこれ全部ハブですか?!」
幸地賢尚さん「そうです」
役場から買い取ったハブは、定期的に、工房に送られてきます。
幸地賢尚さん「こちらが久米島。こちらが南部。こちらが本島北部」
全て同じハブですが、生息する地域によって柄が違います。筆で一本線を書いたような柄が、久米島ハブです。
幸地賢尚さん「久米島だけは面白いのが、離島どこに行ってもこの模様はないので、久米島だけの模様ですね」
全て手作業で、およそ2か月かけて加工します。幸地さんがハブ革の加工を思いついたのは、10年前。当時は、前例はありませんでした。
幸地賢尚さん「県外とか、いろんなところのタンナーさんとか、(ヘビ皮の)加工をしている業者さんに電話とか訪問して、あーだこーだ言いながらヒントもらいながら、少しずつレシピを立てていったんですね。」
家族ぐるみで営む幸地さんの工房。今では県内外から年間300件ほどの注文を受けるまでに成長しました。働く若いスタッフのアイディアから商品が生まれることもあります。
金城立磨さん「胴巻き(ティーガ)に使ってみたいなというのがあって、作らせてもらったんですけど」
そうして生まれた商品の数々。男性向けの長財布。スマートフォンケースや、キーホルダー。久米島をはじめ、県内各地のハブを使ったバリエーション豊かな商品が生まれています。
大矢「一方こちらは、オシャレでカッコイイがコンセプトの女性向けのシリーズです」
小物はもちろん、ヘアアクセサリーなども豊富です。
幸地賢尚さん「自分たちが持ちたい、使いたいという物じゃないと伝わらないと思うので」
一方、長年、農作業の強敵・ハブに悩まされてきた久米島の人々は。
着物姿の女性「こういうの誰も思いつかなかった」「ハブもひとつの産業としてこれからやっていけるのであれば、それは素晴らしいことですよね」
そして、久米島町長も!
町長「(以前は捕獲したハブは)一般廃棄物と一緒に焼却処分していました。逆に今は一石二鳥でですね」
「久米島ハブの魅力を県内外、国外へ発信したい!」幸地さんの挑戦は続きます。
幸地さんの妻・聖奈さん「~こういった形で久米島を伝えられるって本当にありがたくて、嬉しいなって思いますね」
幸地賢尚さん「久米島の方たちに恥じないような製品を作って、魅力をどんどんアピールしたいなと思いますね」
沖縄のハブが、バッグやアクセサリーになるなんて、考えたこともありませんでしたが、オシャレですね~!まさに、アイディアの力ですね。
幸地さんは「沖縄の人々が持った時に、自慢できるような製品を作りたい」と話していました。