新たな人材育成プログラムで県内の若者の「起業家精神」を養うRyukyufrogs。以前にも番組でお伝えしましたが、おととい、プログラムの集大成となる発表会が開かれ、そこには半年間の成長の姿がありました。
那覇市で開かれた「Ryukyufrogs LEAP DAY」。半年間にわたったRyukyufrogsの最終発表会です。
準備が進む会場の外で発表の練習を行う若者がいました。上原ありささん、中学3年生です。
上原ありささん「自分の人生が変わる一日になればいいと思う。楽しくも、結構苦しい半年間でした」
半年前、およそ80人が集まったRyukyufrogsの説明会。熱い議論が展開されるグループの中に、上原さんの姿もありました。この日は、その雰囲気に圧倒されているようにも見えましたが、上原さんは、その後の選考を経て、今年のRyukyufrogsのメンバー9人に選抜されました。
上原さん「視野が一気に広がる感じ。学校と往復だけではわからないこととかっていうのもやっぱりあって、そういうのをたくさん吸収できて、今までの自分とは違う自分が発見できそうだなっていうのを感じています」
Ryukyufrogsでは半年間をかけて、ITをテーマに自分たちで独自のサービスを考えていきます。起業家のように、ビジネスを考えることを習慣化し、自分たちで新しいものを生み出す力を身につけていきます。そして2ヶ月間の研修を経て、いよいよシリコンバレーに出発です。
上原さん「シリコンバレーでは全員の起業家に、女性起業家の強みを聞いてきいたいと思っています」
ビジネスを次々と生み出している、世界最先端の環境に触れるため、11日間にわたって行われたシリコンバレー研修。成功の秘訣は何なのか。世界を代表するIT企業を訪問し、起業家などから直接話を聞きました。
帰国後は、シリコンバレーで触れた刺激を生かしてビジネスモデルをさらにブラッシュアップしたり、プレゼンテーションの技術を学んできました。
上原さん「自分の知識不足とか、努力不足とか思い知らされて。自分の中で責任と甘えが葛藤し続けて、この半年間。すごく苦しかったです」
そしていよいよ、最終発表。LEAP DAYが始まりました。
イベントでは、国内のIT業界のトップランナーとして活躍するゲストスピーカーのプレゼンテーションや次世代を担う小学生の発表も行われました。
そして、メーンとなる今年のRyukyufrogsメンバーの登場です。いよいよ本番です。
上原さん「これってよくあることだと思いませんか?日本でペットのしつけがちゃんとできる飼い主ってどれくらいいるのでしょうか?」「人のしつけも、その人に合った方法が必要です。16人のしつけが一人ひとり違うように、ペットにもそれぞれに合ったしつけが求めれています。このようにA-petが誕生しました」
上原さんたちが考えたのは、ペットの犬の性格に対応したしつけ方法を知ることができるアプリ。蓄積された大量のデータベースから、それぞれの犬に最適なしつけ方法を提案します。
上原さん「A-petを使うことで、日本でもドイツのようにペットと一緒にどこでも自由に行ける社会を実現しましょう」
およそ5分間、最後まで得意の英語で喋りきりました。
ゲストからの質問「会社からデータを提供してもらうと(「はい、そうです」)会社側のインセンティブって何だろう」
答え「すごく市場が大きいので作ることには意味があると思います。そこがメリットだと私は思ってます」
ゲストからの質問が終わり、ステージが終わりました。
上原さん「プレゼンは、自分の中で一番最高だったかって感じでやりきりました。質問が来たんですけど、全然違うこと答えちゃいました」
数分後、上原さんは泣いていました。
上原さん「いろんな思いがいろいろ込み上げて来て、違うことを言ってしまって。そこがすごい悔しくて、涙が止まりませんでした」
2007年にスタートしたRyukyufrogs。今回で8回目となるこの日の最終発表には過去最多のおよそ450人が参加。生まれて初めて、ビジネスの世界を駆け抜けた若者たちの声に耳を傾けました。
上原さん「いろんな大人の皆さんに、君ならできるよ、頑張ってって背中を押されたからここまでこれたんですね。だからもしも、若者が夢を語ったら全力で応援してほしい」
日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター・澤 円 センター長「可能性しかない若者たちがこういう機会を得て、何かを表現していく。そういうものを見るっていうのは、我々からすると非常にワクワクするのと、興奮するんです」
リバネス・丸 幸弘社長「教育、発掘、育成、そして世界へっていうサポート軍団が集まれば、もしかすれば沖縄から最も多くの起業家が輩出できるんじゃないか」
株式会社レキサス社長・Ryukyufrogs・比屋根 隆理事長「沖縄の未来を良くしようと思って頑張っている若者を応援しようという雰囲気が出て来たなということで、それは一番大きな収穫だと思っています」
夢を語る若者たちが、いま少しずつ、沖縄を動かそうとしています。