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こんばんは、ここからはニュースQプラスです。貴重な物の表現方法として「幻の○○」なんて言ったりしますがきょうはその話題からです。はい、それは南風原町・喜屋武地域に伝わる幻の喜屋武ソーミンなんですが年々食べる機会が減る今、その味を受け継ごうと奮闘する親子がいたんです。

ゆったりとした時間が流れる南風原町・喜屋武。毎年旧暦6月(25,26日)の区民をあげての綱引きが有名です。このような祝い事に欠かせない「幻のソーミン」があるのをご存知でしょうか!?

南風原町民「喜屋武のソーミン?。初めて聞きました」

八重瀬町民「はじめて(聞いた)」

男性「南風原(出身)なんですけど、分からないですね」

さすが幻!!南風原の人でさえ知らない人が多いようです。

Q+リポート 幻のソーミン!?「喜屋武ソーミン」

知る人ぞ知る「喜屋武に伝わる幻のソーミン」とはこちら・・

中川「んーー鰹節と豚肉のだしがすごくきいていて、このだしがまたそうめんにからんでとってもおいしいです」

喜屋武のソーミン。その起源ははっきりと分かっていませんが、結婚式やトゥシビー祝いなど家で行う祝いの席などで振舞われてきました。

近年、お祝いごとは外で行う機会が増えたことからソーミンを作る習慣が少なくなっているのが現状ですが、何とか地域に残したいという思いで、先日料理教室が開かれました。

教室を主催したのは、喜屋武女性会のメンバーです。

Q+リポート 幻のソーミン!?「喜屋武ソーミン」

野原会長「(今はお祝いを)家でやることが少なくて、食べる機会もなくなって、作る機会もなくなっている。みんな作れるようになりたいって気持ちが1つになったので(企画した)」

今回の教室に強い思いをもった親子が参加していました。

中村トヨさん「喜屋武の嫁にきた以上は守ろうとしているから。こっちも喜んでいる」

逸子さん「幻にしたくないんだけどね。喜屋武のソーミンでいいんだけど。なかなか作らなくなってるから幻とついているわけでしょ」

講師を務める中村トヨさん。そして助手の娘・逸子さん。2人とも喜屋武で生まれ育ちました。

逸子さん「もともとお祝いでしか食べられてないもんだから、年に1回食べるかどうかのものだったのが、消えていく消えていくっていう状況に陥った時に、綱引きと正月に作ってくれたのは母なのでね。ただ残してほしいさね、細い糸かもしれないけど」

中村トヨさん「伝統の味を残したいと思っているわけさ。部落で。喜屋武のソーミン」

喜屋武のソーミンはだしがポイント。鰹節はサッと茹で、豚ロースは1時間半、だし骨は5時間ほどことこと煮込みます。一見、単純な作業に見えますが・・・。

逸子さん「自分で食べてもおかあの味と違うなって感じるので、どこが違うかわからんけど、この味はまだ出せないな」

中村トヨさん「(習得には)10年かかるね」

Q+リポート 幻のソーミン!?「喜屋武ソーミン」

それぞれ、できあがっただしをブレンドし、ソーメンをくぐらせているとき、いい匂いにつられたのか、地域の子供たちもやってきました。

こども「遊びにきたんだよ。そうめん食べに来た。あのあれで食べるやつ。なんか味付けされてるやつ」

逸子さん「さとみおばあが作った?」

こども「作るよ。さとみおばあが作るよ」

仕上げは豚ロース、3枚肉、紅ショウガを乗せ、料理開始から約7時間。伝統の喜屋武ソーミン完成です。

逸子さん「そうめんでつないでいってるわけよ。うちのつながりは。うちの母の所にはみんながくるわけ。全然知らないような人がよ」

中村トヨさん「うれしい。」

逸子さん「人が好きだから作るんだろうね。人が好きなわけさ、基本的には」

喜屋武のソーミンがつなぐ人と人の絆。トヨさん逸子さんの思いは、参加者もしっかり受け止めているようでした。

食べた参加者男性「昔ながらの食べ物っていうんですか、それを忘れないようにっていうことできました」

食べた参加者女性「作り方というのが全く分からないので、どういう風に作るのかなと思って、参加したんですけども。受け継いでいけたらいいかなと思います」

Q+リポート 幻のソーミン!?「喜屋武ソーミン」

逸子さん「食べてみてそれがまた誰かが作ってみようかなっていう状況になっていったら広がるかなって。母みたいに正月くらいはせめてね各家庭とかで作ってくれたらなって思う一品ではあるよね」

中村トヨさん「元気あるまでは作りたいさ。元気のうちはみんなに作ってあげようと思っている」