こんばんは、スポーツです。まずはことしで5回目を迎えたフットサル大会「ダイモンカップ」からです。そこにはフットサルを通じて生まれる、人と人、人と社会との「つながり」がありました。
先週金曜日から3日間に渡って行われた女子フットサル大会「ダイモンカップ」
おとといの大会2日目には、100人を超える女性プレーヤーが出場。その中心は子育て世代の女性たち。
大会の立ち上げ人で、運営に尽力する糸数温子さんはその魅力をこう話します。
糸数温子さん「ママさんたちのチームを見ているとお父さんたちが、お母さんが試合に出るから子どもを応援に連れてくるじゃないですか。そうするとお父さんたちが子守りしている図があって。それをずっと再現していきたいなと思っているんです。」
参加した家族(夫)「普段僕がサッカーをやっているので、きょうはお母さんに頑張ってもらおうと思って、子守り担当です。」
参加した家族(妻)「久しぶりに同級生とこうやって楽しくできる機会があるので有難いと思っていますね。」
家族のつながりを強めるこの大会は糸数さんが学生時代から抱いていた、ある思いから始まりました。
糸数温子さん「家庭の環境によって子どもの進路が変わっていく、そういうことをずっと学んでいました。子ども達に対してダイレクトに何か影響を及ぼすようなことって難しいと思っていて、いろんな情報を持ってほしいなと思うのがお母さんだった。」
「子どもの進路と家庭環境」をテーマにした研究から家族、ひいては母親の影響力の強さを感じていた糸数さん。
そこで子育てで孤立しがちな女性たちが、気軽に、人や情報とのつながりを持てる機会を作りたいと考えたのが糸数さん自身もプレーしていた、「フットサル」を通じた交流でした。
そんな糸数さんが、ことし新たな挑戦に乗り出しました。
先週金曜日、コート上には年齢も性別も関係なく汗を流す人たちの姿が。ことしから始まった「○△□クラス」。出場しているのは、不登校の子ども達のほか、薬物依存や障害を抱える大人たちそしてその支援団体のメンバーたちです。
様々な理由で社会で生きづらさを感じている人たちにも、フットサルを通して「楽しさを共有すること」を感じてほしいという、糸数さんの思いから始まりました。
糸数温子さん「何かを困っていたら楽しんじゃいけないみたいな、そういうのじゃない。楽しいという時間をたくさん過ごすこととか、ちゃんと一緒に受け止める仲間を作れるということが大事なんだということを発信するために、遊びという要素をたくさん作って、みんなと共有しているところです。一緒にいたら普通じゃん、一緒に楽しく過ごせるじゃん、それでいいんじゃないかなと思います。」
精神障害者を支援する「ソーシャルフットボール沖縄」メンバー「自分の病気のことだけでなくて、外にも目を向けて他の困難に立ち向かっている人たちと手をとって協力していけたらいいと感じました。」
不登校・ひきこもりの人々を支援する「コミュッと!」メンバー「位になれたら良いなと思っていますあとみんなと仲良くなれたらいいなと思っていますね。」
また大会では、プレー時間以外にも社会とのつながりを感じてもらおうと出店ブースなどでの販売活動なども企画しています。
糸数さんがこの大会で目指すもの。それは、1人1人が社会の一員であり誰もが誰かのために何かできる存在である社会です。
糸数温子さん「どうして何によって自分がしんどいのか、何によって自分が嫌なのか言い表せない時ってあると思うんですよね。そういうのをお互いが共有しあえる場所、仲間になったらいいな思って。スポーツをしている時と同じように誰かがそれぞれに役割があってそれぞれに輝ける時間があって、それぞれが助け合って成り立っていくんだなって大会を通して感じてくれればいいなと思います。」
1つのボールから生まれる「つながり」を信じて糸数さんの活動は続いていきます。