先月、那覇市内に子どもジャズバンドグループが結成されました。そこには、子ども逹と音楽とを結びたいと願った大人たちがいたのですが、その活動拠点はことし完成したある場所でした。久田記者のリポートです。
先月開かれた、あるコンサート。演奏しているのは、琉球フィルハーモニックのメンバー。プロの演奏家です。
場所は今年3月に完成した「津波避難ビル」。地域の子どもたちによるジャズバンド結成に向けた、メンバー募集のためのコンサートです。
保護者「いろんな楽器を体験させたいなと思いまして、来てみました」「(保護者:いかがでしたか?)娘:楽しかった!(記Q:何がやってみたいかな?)娘:サックス!」
男子児童「いろんな楽器を触れて楽しかったです。(Q:このジャズバンドに入ってみたいと思った?)思います!(Q:あさって練習があるっていうけど来ますか?)是非行きます。絶対」
このジャズバンドの最大の特徴は、手ぶらで参加できること。月謝もいりません。地域の小学生なら誰でも大歓迎です。無報酬で指導するプロの演奏家たちに加え、フェローと呼ばれるボランティアも入りサポート。まさに”手弁当”です。
トロンボーン奏者の男性「ほんと素晴らしい取り組みです。僕自身も初めてですしね、こういうことをやるというのは」「来週また友達誘ってみんないっぱい連れてきそうな予感はしている」
那覇市、若狭地区。今回結成されるジャズバンドの活動拠点となるこの津波避難ビルは食糧や毛布などの備蓄品もあり、万が一の備えが目的で建てられたものですが、2000人を収容できる広いスペースを地域の人たちに使ってもらおうと、普段は子どもたちの居場所として開放されています。
この場所を活用した、子どもジャズバンドを企画した琉球フィルハーモニックのピアニスト・上原玲子さん。
上原玲子さん「私たちにこの地域でできることがないかなというところから、公民館の館長さんとか、児童館の館長さんとか、中学校の校長先生にお話しを伺うなかで、この地域で音楽が体験できる場が少ないということもあったので」
地域の子どもたちに、音楽の楽しさ、弾けるようになったときの達成感を伝えたいと語る上原さん。果たして、子どもたちは集まるのでしょうか。
練習初日。入団を決めた子どもたちが姿を見せ始めました。スタッフも準備に大忙しです。
上原玲子さん「4時になったら駆け込んできたような子もいて嬉しいです」
この日集まった子どもはおよそ20人。にぎやかなスタートとなりました。さっそく、練習開始です!
初めての金管楽器に悪戦苦闘するメンバーの表情は真剣そのもの。指導する側にも力が入ります。楽しく初日の練習を終えた子どもたち。
琉球フィルハーモニック・上原正弘さん「今のところ1月のもしかしたら14日くらいに、土曜日ですけど。ライカムでコンサートやろうかな、とちょっと考えています」
いきなり高い目標を掲げたバンドは「ジュニアジャズオーケストラ那覇ウエスト」という堂々たる名前で、この日、スタートを切りました。
上原玲子さん「子どもたちが意外に楽しそうな声を挙げてくれたので、ほっとしました。ちょっと先の目標ではありますけども、そういう目標があることで頑張って乗り越えられたらいいなと思っています」