今晩の食卓・・・これで苦労するという人も多いのではないでしょうかとにかく今、野菜の値段が高騰を続けています。県内でも長期化の様相を見せ始めている問題。その今の現状と対策を取材しました。
午前6時、威勢の良い声が響く競り。広々と並べられている野菜の前には多くの仲買人の姿がありました。
仲買人「(Q:おいくらしたんですか?)通常は(レタス10玉)1700円とか1500円ぐらいだけど、今はもう3000円以上する」
仲買人「(これまで)単発的な商品の値上がりはある。例えばレタスだけ上がるとか。(だが)今回は全体的に上がっているので非常に厳しい」
全国的にも深刻となっている野菜の値上がり。ここ沖縄でも通常の値段のおよそ2倍で、レタスや白菜といった野菜が販売されています。
そうした野菜高騰の背景には、北海道や本州に相次いで上陸した台風や日照不足の影響があるととみられます。
そうした現状に、県内の卸売市場では、通常の出荷時期よりも早めに県内産の野菜を市場に出し販売。しかし、時期が早いため、質の良い野菜を確保できないと青果店らは頭を悩ませます。
仲買人「(沖縄は)ずっと気温が高い。だから中で蒸れて葉っぱが枯れたり、腐ったりする。商品価値はないけど売らないといけない状況」「この時期はどうしても県内産が出るが、県内に頼ってしまう(部分がある)。運賃コストも上乗せされるので(沖縄は)日本一高い野菜を沖縄県民は食べている感じがする」
『日本一高い野菜』このような現場の嘆きに卸売市場も対策を練っています。
沖縄協同青果・新里常務「国産のキャベツとかに関しては(今が収穫時期の)九州産地に限らず関東産地といったところまで手を伸ばして、集荷をしている状況」「国内産地がなければ(中国や韓国といった)海外から物を入れるという状況もある」
新田記者「レタスなどの葉野菜の値上がりによって、ここスーパーでは多くの消費者が悲鳴を上げています」
買い物客「野菜を食べないと子ども達が心配なので、なるべく安いものを選ぶようにはしてます。ぐっと高いです。レタスは特に高い」「すごく厳しいよ、暮らしは」
サンエー・棚原さん「去年と比べて2倍近く価格が(高騰している)。特にキャベツ、レタスあたりは去年198円売りぐらいだったのが、今年は398円と倍近くの値段になってきています。例年に比べても今年は過去最悪ぐらいペースで高くなっています」
『過去最悪のペース』にまで追い込まれている状況のなか、消費者側も店側もいっぱいいっぱいの工夫をしています。
買い物客「食費以外でどこかを削って。野菜は絶対に買わなきゃいけないので」
サンエー・棚原さん「うちとしても買いやすいようにキャベツの半分切りだったり。お客さんが買いやすい値段で品ぞろえをしています」
生産者、小売り業、消費者と各々が野菜高騰に苦しむなか、試行錯誤してこの逆境を乗り切ろうとしています。
県の卸売市場などによると今後も高値傾向は続くとしていて、これから年末に向けて野菜の活躍する食卓への打撃は続きそうです。
まだまだ、高値は続きそうだということですが・・・。そんな中、今注目されているのが、こちらのモヤシです。モヤシは屋内で生産されるため、天気に左右されず、値段が安値で安定しています。県内でモヤシを生産する工場によりますと、野菜の入荷不足が始まった頃から受注がおよそ3割も伸びたということです。