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さて、3日前、感動のうちに閉幕した世界のウチナーンチュ大会ですが、今回の参加者の中に、長年、アメリカで基地内の汚染調査に専門家として携わってきた人がいました。今の沖縄をどう見ているのか話を聞きました。

Q+リポート 米国で活躍の土壌汚染専門家に聞く

那覇市出身で、琉球政府にも勤めていた國吉信義(しんぎ)さん。その後、アメリカに渡り1976年以降はカリフォルニア州のマーチ空軍基地などで基地内の汚染調査の専門家として30年にわたり働いてきました。

國吉信義さん「アメリカの方の環境行政と言うのは、2本立てになりまして、1つは現行を取り締まるということ。もう1つは、過去に汚れたものをクリーンアップするという2つの法律も行政もありますけど、私は、過去の汚染を取り除く、クリーンアップするその部門にいました。」

國吉さんの目には、長年携わったアメリカでの汚染調査と、故郷沖縄での調査が大きく違ったものに映っています。

國吉信義さん「根本的な違いは、さっき言ったように、アメリカでは基地が返還されるとかは関係なく、アメリカの基地は全部クリーンアップしましょう、汚れたものをクリーンアップしましょうと言う法律があるから、徹底的に調べているわけです。沖縄の場合は、過去の汚染を調査して取り除くという法律がないものだから、返還された後に、発見されたりすると、しかも偶然的に沖縄市のサッカー場みたいに、土地整理をしているときに偶然的に発見される場合があるでしょ。だからのその辺とても遅いと思う。」

Q+リポート 米国で活躍の土壌汚染専門家に聞く

また、基地の返還後に偶然見つかった後の調査や取り除く作業さえも、日本政府がやるということに、疑問を感じています。

國吉信義さん「(日米)地位協定と言うのがある。これが大きな壁になって、それから以上超えたらいけないというのがある。ドイツでも、韓国でも、地位協定をありながら色んなやり方やっているでしょ。当然ドイツでは、米軍が汚したんだから、米軍が責任をもってクリーンアップ作業をしていますよね。日本でなぜできないか。やっぱり、強く皆が、国民が知って、盛り上がれば政治家も外交官も交渉する材料になると思うんですけどね。」

先日、20年ぶりに沖縄で開かれた日本環境会議でも講演した國吉さん。同じ地位協定を持つ韓国やドイツに比べても日本は遅れていると指摘し、国民が関心を持ってルールを変えていく大切さを訴えました。

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また、アメリカでは、国・州・地方それぞれの環境部門がアメリカ軍との4者協議に臨み、最終的に4者が合意しないと過去の汚染調査が完了しない仕組みとなっていることも強調。

こうした、仕組みに加え國吉さんは、調査が十分なのか国民が関心を持つことこそ大切だと考えています。

國吉信義さん「なぜかと言うと、汚染と言うのは、人々の健康に関するものなので、政治問題ではなく、健康問題としてみたら当然みんな注意して、防衛局のやり方を見守っている必要があると思いますね。」