九州沖縄山口のANN各局をつないでお送りするブロック企画、今回のテーマは「頑張ってます!」各県の頑張っている人たちにスポットを当てていきます。
1回目のきょうは、沖縄からです。沖縄には「チャーン」という天然記念物に指定されている鶏がいるのですが、その数は減少しています。その復活を目指し頑張っているのは焼き鳥屋の店長なんです!
食欲をそそる炭火焼の香り。ここは、那覇市泉崎にある焼き鳥屋「スワン」
店長の、大谷明正さん。
沖縄のプロバスケットボール琉球ゴールデンキングスの元応援団長。その姿もスワンでした。
大谷明正さん「スワン(白鳥)って沖縄にいないじゃないですか、だから沖縄にどこにもないお店という意味と鳥の王様という意味があるので、焼き鳥界の一番おいしい店ということで。」
大谷明正さん「福幸地鶏の5本セットです、どうぞ。」
自慢の一品は、直営養鶏場から仕入れた福幸地鶏です。
南城市にある直営養鶏場。大谷さんは、焼き鳥屋を営みながら養鶏にも取り組んでいます。始めたころは、ハブやマングースに襲われ何度も全滅を経験しましたが試行錯誤を重ね、今では1000羽を超える鶏を飼育しています。
そんな大谷さんが今、特に力を入れているものがあります。
大谷明正さん「チャーンの卵です。」
沖縄在来種の「チャーン」しかし、この鶏、なかなか一筋縄ではいきません
大谷さんがチャーンを追いかけることになったきっかけは焼き鳥の全国大会。県外の焼き鳥店が、地元の地鶏を売りにしていることを知ったのです
大谷明正さん「よその金メダルをとっているところは地元に有名な地鶏があって食べる文化があるというのが、沖縄はなかったものですから。」
沖縄にも在来種「チャーン」がいることを知り地元の特産物として売り出したいと考えた大谷さん。しかし、その「チャーン」をなかなか手に入れることはできませんでした。
大谷明正さん「鳴き声のきれいな鶏なのでこれを食べるとは何事かという感じで反発は多くて。」
チャーンの歴史は琉球王朝時代にまで溯ります。独特の鳴き声と美しい見た目から観賞用の品種として現在は天然記念物にも指定されています。食用にするなんてもってのほかだったのです。
それでも飼育する人のもとへと足しげく通った大谷さん。そこで、愛好会副会長の渡久山さんと話す中でチャーンが置かれている厳しい現状を知りました
渡久山さん「浦添も、みんな歳とってチャーンを飼う人もいないんですよ、恐らく私1人。」
大谷明正さん「文化財でもあり、重要な鶏というのが分かってそれをまた後継者がいないということで、復活させることと、継承するということを全力でやって。」
食用の地鶏を探していた大谷さんでしたが、一緒に沖縄在来種を守ることはできないか考えるようになり、自分にもチャーンを譲ってほしいと何度も頼みにいきました
渡久山さん「(Q.大谷さんがチャーンを譲ってくれってしつこく来たんですか?)そうそうそう、そうよね?じゃあ持って行ってってあげたわけ。交配してどんどん増やしていくからと言うので、良いことだよこれは。」
チャーンを譲り受けた大谷さん。チャーンそのものは食用にはできないため他の品種と交配させた食用品種の開発に取り組んでいますそうすることで、チャーンという沖縄在来種の名前を残したいと思っています。
大谷明正さん「産まれますように!」
大谷明正さん「食べる産業として伝えていけば、みんなもうちょっと自分の大事な県の鶏ということで認知されるんではないかなと思っていますね。沖縄の宝ですねこれを継承してつなげていかないといけないものだと思います。」
鶏好きの焼き鳥屋の店長が追いかける在来種チャーン、復活の夢大きく羽ばたこうとしています