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那覇市民会館 取り壊しも検討へ

文化・芸能の発信拠点として市民に親しまれてきた那覇市民会館。耐震性が不十分だとして無期限の休館が決まりました。那覇市民会館は、1970年に完成。

舞台演劇を上演できるホールがなかった沖縄で、文化や芸能の発信拠点となり本土復帰記念式典の会場となるなど、沖縄の歴史を見つめてきました。

しかし老朽化が進んでいて那覇市は耐震診断を実施した結果、次のような結果を報告しました。城間幹子市長は「建物の耐震診断を行ったところ、国の安全性基準より低い結果となり、市民会館の耐震性が不十分との判定となりました」と話しました。

診断の結果、現在の建物は震度6から7に達する地震が起きた場合に倒壊する危険性があると判定されたということです。那覇市では、耐震補強にかかる費用や工事期間などの調査を進める方針ですが、旧久茂地小学校跡地に新たな市民会館を建設する予定もあることなどから、関係者は現在の建物は取り壊される可能性が高いとしています。

一方、保存を求める声もあります。一級建築士の根路銘安史さんは「技術的には残していけると思います。自分たちの文化を確立しようと思って作られた建物の持つ意味は大きいと思うので、どうしても僕は残していってほしい、大事に使ってほしいと思っています」と話しています。

保存運動に取り組む一級建築士の根路銘安史さんは、市民会館は軒を深く取った屋根や、石垣のヒンプンなど、沖縄の伝統的な手法が取り入れられた優れた建築と指摘。

建築物は安全性が第一と話す一方で、人々の記憶をとどめる建築を残す方法も議論してほしいと話していました。