シリーズ「つながる」です。きょうのテーマはリサイクル。処分された衣類や食器、家具などが集まる施設。連日、たくさんの人がやってきますが、そこで見えてきたものとは。
年間1万8000人が訪れるという南風原町のリサイクル施設。ここでは、家庭から出された衣料品や食器、家具などが新たに命を吹き込まれ、リサイクルされるほか、貸し出しなども行われています。そんなリサイクル施設に密着取材しました。
2階にあるのは古着の販売コーナー。一番多くの人が訪れる人気の場所です。
利用者「上等でキレイで値段が安くて買いやすいかねと思って。もったいない。また家で洗濯して使おうと思っているんですよ」「引っ越してきたんですけど、まだお下がりもらえる相手とかがいなくて」
アースの会・宇地原睦恵さん「また使われていくっていうのがいいですよね。自分の家なんか、お下がりが当たり前にやっていたけど、今それがあんまり少ない。ここで大きなお下がりをみんながやっている感じがして」
子ども服は30円から大人の服も50円からとその値段も魅力の一つです。
一方、こちらは衣装のレンタルコーナー。なんと無料で借りることができるのです。ドレスや着物、着ぐるみなど種類も豊富、この日訪れたのは親子連れ。舞台衣装を借りに来たと言います。
利用者「うんと変えてみんなをびっくりさせようと思っている。笑わそうと思って」「とりあえずこれ被ってみたら?」
続いて訪れたのは、老人施設で働く職員。
利用者「宝の山みたいな感じがしてしまった。シンデレラをやるんですね、継母と娘たち2人と、あとシンデレラなんですけど」
衣装の華やかさに大満足の様子。さっそく借りた衣装を持って施設へ戻ります。
老人施設職員「これ本当に捨ててあったものなんですか?捨てたものの中からこういったのが集められてまた、必要な時に使えるってことは良い考えだと思います」
驚きと笑顔をもたらすレンタル衣装。ここで貸し出されるのは、衣装だけではありません。
那覇市城北中の職員「エコ食器を受け取りにきました。学年レクでバーベキューするのでそこで」
3年前からイベントの度に利用しているというこちらの中学校。この日はあすの学年レクのために200人分の食器を借りに来たと言います。
城北中PTA「今回はエコプラザの皿とかお箸とかを用意しますので、ごみはゼロになります。ごみの削減、経費を削減することによって環境に優しいイベントになって、浮いたお金で今回はかき氷も用意いたしました」
地球にやさしいエコ食器を使うということに生徒たちは何を感じたのでしょうか?
男子生徒「リユースカップとかは洗うだけで捨てることはないのでとても便利だなと思います。木も無限にあるわけじゃないので」
女子生徒「費用とかもかからないし、しかも自分たちがエコをできるってところがいいなと思いました」
リユース食器は、生徒たちにも環境問題への気づきを与えたようです
捨てられた家具に新たな命を吹き込むのは真栄平義己さん。シールなどの貼り跡がかなり目立つため、天板を新しく入れ換え、全体をニスで修正します。
アースの会・真栄平義己さん「大事にすればするほど、ちゃんと応えてくれる」
きょうも施設に、多くの資源が持ち込まれてきました。
アースの会・真栄平義己さん「(Qここはどんな場所?)ぼくの場合はあまり難しく考えないで、身の回りのものをとにかく大事にして、できるだけとことん使いきっていこうという思いですから。そういう人たちが少しでも増えていくといいんじゃないかな。その繰り返しというか生活習慣の中で身に付けていけばいいのかな」
昨年度1年間でこの施設に持ち込まれた衣類は250トン。家具は9000キロに及びます。
人間がゴミとして捨てたものが人間の手によって新たな資源となり、人間が活用していく。そんな流れが見えたこの場所は、私たちに「まず物を大切に使ってみては?」そんなメッセージを投げかけているようにも感じました。