4月に起きた元海兵隊員で軍属の男による女性暴行殺害事件を受け、政府が県内で始めたパトロール隊。7月にはパトロール隊に動員された防衛省の職員らが、東村高江でヘリパッド建設に抗議する人たちの警備を行っていたことが問題になりましたが、今、また新たな問題が浮上しています。
県内にある国の出先機関で働く職員らに対して、パトロールに加わるよう要請が行われたということです。
大矢英代記者「要請を受けてパトロールに加わっていた機関のひとつがこちら、沖縄気象台です。天気や自然災害などに関する情報発信・収集などといった本来の業務とは全く関係のないパトロールに加わっていました。」
沖縄気象台によりますと、県内でパトロールが始まった9日後の6月24日、沖縄総合事務局から「パトロール体制を整えるまでの間、協力してほしい」などといった内容の要請があったということです。
これに対し、沖縄気象台は「可能な範囲内で協力する」と回答。7月31日からおよそ1か月間、休日を含めて毎日、午後7時から午後10時まで課長以上の管理職がパトロールを行っていました。
沖縄国公労副委員長は「政府の意向で協力要請という形ではあるが業務外のことを強いられていると」「業務スケジュールも変更せざるを得ないわけですし」
一方、要請をしたことについて沖縄総合事務局は、「東京の内閣府から、『沖縄県内の各機関に対し、パトロールに協力を依頼するよう指示があった。それに基づいて、県内の15の機関に要請を行った」と説明しています。
沖縄気象台は、1日からパトロールを外部委託したということですが、現場の公務員からは不安の声が上がっています。
沖縄国公労・副委員長「そもそもが今回のような防犯パトロールでは米兵犯罪は防ぐ効果はないと思うんですよね」「ああいう事例(本来の業務ではない仕事)がどんどん蓄積されて、そういうことは当たり前なんだと、そういう風潮が作られるということは非常に危ないことだと思いますね」
QABの取材に対し、内閣府は「あくまで協力であって、強制ではない」と回答していますが、今後も「協力」を名目に政府の意向に左右されるのではないかと、現場の公務員の間には不安が広がっています。