特集・つながるです。子どもの貧困が社会問題になるなか、今県内でも急増している「子どもの居場所」についての取り組みを紹介します。
あふれる子どもたちの笑顔。今月21日、宜野湾市にオープンしたその名も「居場所」。
子ども「(Qどんなところがいい、ここ?)こっちかくれんぼとかさ、できるから。隠れる場所いっぱいある」
この施設を立ち上げたメンバーのひとり、当山なつみさん。
当山なつみさん「完璧にできている状態じゃないところでスタートはしているんですが、これだけたくさんの子ども達も来てくれているので、これからみんなで作りながらやっていければいいなと思います」
開所3日前、そこには、大急ぎで掃除をする当山さんと当山さんの子ども達の姿がありました。
当山さんの娘・まゆちゃん「(Q:開所したらどんなことして遊ぶ?)鬼ごっこ!(部屋決めたんじゃないの?)そう決めたよ。ここが鬼ごっこのところで、ここが遊ぶところで、ここが勉強する場所」
当山さんの長女・まゆちゃんは得意のお絵かきで看板作り。出来上がったトイレの看板を大人の目の高さに貼ろうとすると・・・。
まゆちゃん、すかさず張り直しました。
大切な「子どもの視点」です。
当山さんと「居場所」づくりに携わるのは、この地域に暮らす赤嶺和伸さん。そして、近所の保育園で働いている森雅寛さん。
半年ほど前、県内で開かれた子どもの貧困についての講演会で、偶然出会った3人は「地域の子どもたちが、気軽に来れる居場所をつくりたい」と動き始めました。
当山さん「よく、コンビニとかでたむろしているような子どもとか、(クーラーのきいた)銀行のATMの機械のところでゲームしながら時間潰しているような子たちを見かけて。堂々とくつろげるような場所をつくっていきたいなって」
「どうしても夏休みが始まる前に『居場所』を作りたい」そこにはある理由がありました。
赤嶺和伸さん「夏休みになって学校がない。給食時間もない。親御さんは働きに出ていく。じゃあ子ども達どこでお昼ご飯食べるのと、どこで遊ぶのっていうのがありますから」
夏休み初日「居場所」オープン。室内の飾り付けをする子。昼ごはんの準備を手伝う子。朝からたくさんの子どもたちの姿がありました。もともと弁当店で働いていた赤嶺さんが昼ごはんの担当。行政の支援などは受けておらず、知り合いの農家などから譲りうけた食材をつかいます。
赤嶺さん「100%民間の力でやるしかないので」
その頃、森さんは外へ。
森雅寛さん「ゲーム持って来てやってもいいし、勉強してもいいし。朝10時から6時まで。いつ来てもいいし、いつ帰ってもいいし」
森さんの誘いで「居場所」に子どもたちがやってきました。
中学生「(Qコンビニの前とかよくいたりするの?さっきあっちいたけど?)たまに。たまに休みながら。部活帰りとかよくいます」
森さん「部活帰りにちょっと休みたいなと思ったら来たら?お茶とかあるから。涼んで帰ったらいいよ」
森さん「子どもたちが慣れたらですけど、徐々に自分たちのしんどいことが語れるようになればいいなって思っています。第二の家じゃないですけど、ここを家と思ってきてくれると嬉しいと思いますね」
この日は、子どもに誘われてやってきた保護者の姿もありました。
地域の女性「普天間って子どもたちが遊べるところが少なかったから、少しでもそういうところが増えてくれると助かる」
めざすのは、大人から子どもまで地域の誰もが来られる「みんなの居場所」です。
紹介した居場所もそうですが、子どもの居場所づくりは、民間で運営されるところがほとんどで、息の長い支援が求めらています。
国や県の基金が動き始めているので、それがいかに有効活用されるかが問われています。支援者を支える仕組みづくりが求められています。