Qプラスリポートです。先週金曜日、突然強行再開された東村高江のきょうの様子です。
高江を巡る北部訓練場の返還は基地負担の軽減だと、政府は声高に成果を強調していますが、アメリカ軍の報告書には、別の言葉が記載されていました。大矢記者のリポートです。
抗議する住民(22日ドキュメントより)女性「何で沖縄だけ不当な扱いなんですか!」
機動隊員に顔を殴られる人。喉元を締め上げられる人。座り込む人々を力づくで排除したのは、県外も含めた数百人の機動隊員です。
人々が体を張って止めようとする工事。それは・・・
オスプレイが離着陸するヘリパッド。東村高江では、政府が計画する6つのヘリパッドのうち、すでに2つが完成。それらは、すでにアメリカ軍へ提供され、戦場のような訓練が、日常的に繰り広げられています。
高江に住む住民は「昼も夜もずっと飛んでいるわけですよ。ただ自分たちは普通に生活したいだけですよ。」「ヘリが落ちるかもしれない。その恐怖を払いのけるのは住民として当たり前の要求ですから」
問題の発端は、1996年。日米特別行動委員会(SACO)最終報告に北部訓練場の一部返還の条件として、ヘリパッドの移設が盛り込まれたことです。何も知らされていなかった高江の住民たちにとっては、まさに寝耳に水。住民達は9年前の7月から基地の前で座り込みを始めます。
住民への説明会では沖縄防衛局の職員に「これはオスプレイのためのヘリパッドではないか」と、問い詰めます。しかし・・・
沖縄防衛局真部朗局長(当時)「配備が行われると、私どもがアメリカを通じて確認できた場合には少なくともお伝えすることはできるかと思います」
計画について知らされることはありませんでした。
そんな住民を相手に政府は、丁寧な説明ではなく、住民たちの座り込みは通行妨害にあたるとして、裁判で住民を訴えたのです。中には当時、7才の子どもまで含まれていました。
大きな権力を持つ政府が住民を訴えることで活動を萎縮させるのを目的とした「スラップ裁判」でした。
2012年、オスプレイが沖縄へ配備されると高江での訓練が始まります。日本政府が「配備が分かった時は伝える」とし、ひた隠しにしてきた「オスプレイ」による訓練でした。
頭の上をスレスレに飛ぶような激しい訓練は、今や高江の日常と化しています。
菅官房長官(7月22日会見)「北部訓練場の返還は、負担軽減に大いに資すると思います」
あくまで「負担軽減」だと主張する日本政府。しかし、それとは相反する、アメリカ軍の報告書が存在します。これは、アジア太平洋地域の戦略や基地の運用方法について、アメリカ海兵隊がまとめたこの資料で、中には、こんな計画が記されていました。
「北部訓練場については、『使い道のない土地』の51パーセントを日本政府に返還する。一方で、新たな訓練場をつくることで、土地を最大限に活用できるだろう」
今度、返還される土地は、アメリカ軍にとって、当初から使い道のない、「不必要な土地」だと示されているのです。
「静かな暮らしがほしい」「豊かな自然を守りたい」そんな人々の願いを踏みにじるかのように、「負担軽減」の名の下に、工事が強行されています。
こちらは、オスプレイが高江の県道の上を飛ぶ様子です。その音と巻き起こす風の威圧感は言葉では言えません。「負担軽減」の言葉とは程遠い現実があります。
謝花「高江のリポートがありましたが、警察による強制排除があった現場に24日に行きましたら、県出身の学生たちが訪れていました。現場で何を感じたのか、聞きました。高江を訪れたのは宜野湾市出身の大学生と高校生の4人です。
沖縄国際大学1年屋良葉月さんは「新聞とかだけじゃあ、自分のことのように感じてなくて、おとといこっちがすごい激しかったときの動画を見て、行かないとだめだなって思って」と話していました。
また、沖縄キリスト教短期大学1年の大城倫子さんは「こんな小さい島に、こんなにいっぱいの機動隊が来て。自分たちは市民なのに。国と国との戦いでもないのに」と話しました。
他にも沖縄国際大学1年本村恵玲奈さんは「言葉は悪いけど、ちょっと汚いやり方だなって。数でこう、ね、国民をぎゅって押し込める感じが」した。
普天間高校3年新垣咲里奈さんは「来たときからすごい怖くて、何もしなくても、捕まっちゃうんじゃないかなとか、(警察から)何か声かけられたら、何て言ったらいいんだろうとか」と不安を語っていました。