政府と県による協議が21日、官邸で開かれました。この中で辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐり、政府は22日に県を訴えることを正式に伝えました。
21日に開かれた政府・沖縄県協議会では、辺野古の埋め立て承認の取り消しを巡って、県が国の是正指示に従わないのは違法だとする裁判を国土交通省が22日提起することが県に伝えられました。
提訴について、午後の会見で菅官房長官は「5年以内の運用停止実現のためには、辺野古移設について地元のご協力を得られることが前提であるという話をさせて頂いて」と話す一方、協議会を終えた翁長知事は「法定闘争によることなく真摯な協議が行われるよう配慮を求めていただけに、法の規定により訴えが可能となるよう待っていたかのように直ちに提訴する判断が示された事は非常に残念であります」と話していました。
県は、訴状を見て、今後の対応を検討したいとしています。
協議会に先立ち、1年9カ月ぶりに開かれた普天間基地の負担軽減推進会議で、県は普天間基地の危険性除去や5年以内の運用停止、さらにその進展を確認するため、日米政府間でスケジュールを作るよう求め、作業部会の設置も確認されました。
ところで、21日は高江や辺野古での工事再開に向けた動き、また、知事が視察した馬毛島への言及はありませんでした。
ここからは東京で取材した野島記者に聞きます。野島さん取材しての印象は?
きょうは2つの会合がありました。まず政府と県の協議会は、今回で4回目です。話し合いは平行線のままで、結局、県は政府から一方的にあすの提訴を突きつけられ、その対立構図だけが再び浮きぼりとなりました。
一方、先立って開かれた負担軽減推進会議は、翁長知事就任後初めての開催となりました。
5年以内の運用停止に向けた取り組みなどを話し合うものですが、とん挫している佐賀空港や再注目されている馬毛島といった具体的な訓練移転先についても政府からは提案さえなく、仕切り直しと言った空気を感じました。
また、きょうは、メンバーである安倍総理も夏休みということで、その姿はなく、政府側は消極的との印象も受けました。
今後はどうなるんでしょうか?
話し合いの姿勢を示している県ですが、政府が提訴に踏み切ったことで、今後はその対応に追われます。この裁判は、そもそも和解条項には書かれていないもので、新たな法廷闘争と言えます。同じ裁判所が判断するとはいえ先行きは不透明です。
いずれにせよ、裁判や高江の工事など、政府が強行な姿勢を示す中で県内の反発は必至です。