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先月、浦添市で開かれた講演会。会場には、立ち見がでる程、多くの人が詰め掛けました。登壇したのは、武藤杜夫さん。現在沖縄少年院で、入所する少年たちの教科指導から、社会復帰への支援までを行う法務教官として働いています。

Q+リポート 「魂の交流」若者と接する男性

武藤杜夫さん「姿勢を正してください。日本人は9年間にも及ぶ長い義務教育の中で何を学ぶんでしょうか。もちろん学校生活の中にはいろんなことがあります。それならば、もし勉強の中身は全部忘れてしまったとしても、人の話を聞く姿勢くらいは1人前であってほしい。僕はそう思っています。」

武藤さんが子ども達との関わりの中で常に意識しているものそれは、「魂の交流」人は1人では生きられない。子どもたちを信じているからこそ声をかけ続けていると話します。

武藤杜夫さん「少年院に入ってきた子どもたちに対して悪いことさえしなきゃいいとか、そんなせこいこと言いません。お前には一流になる資質があるぞ、一流になれ。一流になっておまえのこと笑った大人を見返してやれって。はじめからそう伝えます。」

今は、法務教官として子ども達の教育にあたっている武藤さんですが、自身も学生時代は、非行に走った時期があったといいます。

武藤杜夫さん「僕の場合は中学校入ったあたりから、問題行動が始まりまして、1学期には学校行かない子どもになっていましたね。(中学校に入って)急にみんな、まわりが勉強し始めて、自分も勉強してみたんですけど、全く付いていけないんですね。どれだけやっても付いていけなかったです。そうなってくると、学校に行くのも面白くなくなってくるし、」

Q+リポート 「魂の交流」若者と接する男性

そんな武藤さんを変えたのは、旅先で出会った多くの人たち。学校では教えてくれない新しい生き方を教えてもらったと話します。だからこそ、今は多くの子どもたちと接したい。そう思えるのだそうです。

武藤杜夫さん「世の中っていろんな生き方って本当は出来ると思うし、いろんな人生があると思うんですね。僕はそういう生き方を子どもの時に教わりたかったなと思ったんです。そういう風に教えてくれる大人が自分の周りにはいなかったので、いないのであれば僕自身がそういう先生になればいいんじゃないかと思ったのが最初だったと思います。僕自身違う道を、こんな道もあるんだよと言うことを教えてあげられたらな。それが僕の使命なんじゃないかなと思ったのが(法務教官を目指した)はじめです。」

この日、武藤さんの姿は児童館にありました。多くの子ども達と関わるため、休日などを利用して児童館へと足を運びます。この児童館では週に2回、夜間開放を行っていて中学生、高校生は夜8時まで利用することが出来ます。

児童館では、子ども達が一緒に夕御飯を作ったり、遊んだりとそれぞれが自由に過ごしています。

Q+リポート 「魂の交流」若者と接する男性

児童館大城喜江子館長「児童館ですので、ワイワイガヤガヤと子ども達がいっぱいであるほうがいいなと思うんですね。とりあえず指導ではない受け入れ、どんな子でも受け入れるというものでは、いろんな子ども達いますが勉強する子もしない子もみんなが混ざり合って、楽しく仲良く、お互いが支え合えるようになればいいと思います。」

法務教官として多くの子ども達に変わるきっかけを与えてきた武藤さん。しかし、多くの出会いの中で変わっていったのは自分自身だといいます。

武藤杜夫さん「どうしてもこの仕事をしていると、人を変えよう、子ども達変えようという風に考えが行ってしまいがちなのですけども、子ども達を変えるよりは、僕は自分自身を変える挑戦をしたいと思っています。そういう挑戦を続けている背中を見てきた子どもたちが1人でも2人でも自分もなんかやってみたいって、そう思って立ち上がってくれたら、教育者として正解なんじゃないかなと思っているんです。」