特集「つながる」、きょうは認可外保育園について。
まずはこちら、ご覧ください。待機児童の多い全国の市区町村(厚生労働省まとめ去年4月時点)1 東京都 世田谷区 1,182人 2 千葉県 船橋市 625人 3 沖縄県 那覇市 539人 4 大分県 大分市 484 人5 宮城県 仙台市 419 人
こちらは全国の待機児童の数で、那覇市は全国でワースト3位です。この待機児童の受け皿として大きな役目を担ってきたのが、認可外の保育園です。しかし、公的な支援が少ない中、厳しい状況に置かれ続けています。
認可外保育所の園長たち「私達認可外保育園の組織の者ですけど、きょうは認可外保育園の陳情書を持って上がりました。宜しくお願いします。」
先月、那覇市内の認可外保育園の園長たちが、市議会と県議会に対し支援を訴えました。
真栄城美登里会長「認可園にいる子どもも、認可外にいる子どもも、同じ那覇市の子ども達ですから、もう少し条件的に平等に扱って頂きたい」
陳情をした一人、那覇市のオロク琉生保育園の園長、阿波連さなえさんです。
「おはようございます」
朝、次々とやってきた子どもたち。働く母親たちにとって、ここはようやく見つけた保育所だったといいます。
お母さん「最初認可に申し込みしていたんだけど、落ちて。それで2か月くらい待って入れた」
10年以上にわたり認可外保育園を続けてきた阿波連さん。入園したいという問い合わせは一日4、5件にのぼるといいます。
阿波連さなえ園長「人数の制限もありますし、結局すごく断る状態なんですよ」
「認可外でも子どもたちのために職員の数はきちんと確保したい」と0歳から4歳までの子ども達およそ30人を職員7人で見守っています。
保育所の先生「(昼寝中)寝返りでうつ伏せになったら、ひっくり返していかないといけないんですよ。10分後ごとに(うつ伏せや呼吸を)チェックしていくんですよ。」
園内を飾りものは、すべて職員たちの手作り。仕事の後、家に持ち帰って作るのだといいます。
保育士助手「(深夜)11時、12時くらいまで(作業を)やっていますね」
働きづめの職員たちですが、給与は社会保険なども含めて月およそ14万円です。
保育士「(生活が)苦しいです。お給料で。もう少し、あったら助かるなと思います。」
保育士助手「主人がいますので、主人の収入がありますよね。ひとりではやっていける給与ではないと思いますね」
阿波連さなえ園長「給与に似合う保育料とったらいいんじゃないですか?という話もありますけど。(子ども一人に対し)6万の保育料なんて、とてもじゃないけど、保護者の方に請求できないですから、なんとかやりくりして、厳しい状態でやっているところですね」
保育園は、園長、阿波連さんの自宅の2階部分にあります。家賃がかからないから、なんとか続けられる状態で、阿波連さん自身、給与はゼロ。貯金を切り崩しながらの生活が、もう何年も続いているといいます。
子ども達「おててをぱっちん!頂きます!」
那覇市からの給食費補助は、園児一日ひとりあたり、100円にも満たない金額です。献立を考える栄養士は、認可園ならば市が配置してくれますが、認可外には、その制度はありません。
「できるだけ、旬の食材を使って、栄養のある食事を食べさせたい」それが一番の願いです。
阿波連さなえ園長「本当だったら今の旬だったらあと1品入れたいなというのはとってもありますね。もうちょっと補助があったら、もうちょっとなんとかしてあげたいって・・・」
これは10年前、QABで放送した認可外保育所のリポート。当時もなんとか給食費をねん出していました。
あれから10年。何も変わっていない現状があります。
子どもの「保育の質」を支えるために園側が切り詰めている実態は、もう十数年にわたって変わっていません。
国は子どもを増やすことに号令をかけていますが、親や子どもを支える保育の現場は未だ置き去りにされたままです。