たった1人から挑む夏
来月18日に開幕する夏の高校野球沖縄大会。その出場校を紹介する「めざせ甲子園」です!2校目のきょうは、辺土名高校です。去年の夏以降、部員が1人となってしまった辺土名ですが、夏を諦めなかった思いが、この夏、実を結びそうです。
伊是名良平選手「今は仲間ができて、楽しいですね。毎日楽しく練習できています。」
仲間と野球ができる嬉しさを口にするのは伊是名良平くん。今でこそ、仲間と練習することができていますがそれが当たり前ではありませんでした。
ここ数年、部員不足に悩まされ、2013年の夏を最後に、大会には出場できていない辺土名。去年の夏、先輩が引退し、同級生もアルバイトなどで来られなくなると野球部員は事実上、伊是名くん1人になってしまいました。
伊是名良平選手「仲間がいて楽しくやるのが高校野球って思っていたので1人だった時は、話せる仲間もいないし寂しかったですね。」
その伊是名くんを、支えてくれた存在がいました。
高良耕平監督「絶対折れないで、次の夏には出るって気持ちを持ち続けなさいということは言って。」
去年の春、辺土名高校に赴任した高良耕平監督。部員が1人になって以降、高良監督が伊是名くんの練習相手。監督自ら練習の準備・片づけを手伝い、ピッチングでは自ら防具をつけキャッチャーもやります。
二人三脚でここまできました。
高良耕平監督「頑張っている彼がいて、何とか試合に出してあげたいという気持ちを自分の中で強く思ったのは事実ですね」
伊是名良平選手「高良先生と2人の中では、最後まで野球は続けようと目標を立てていましたね。」
1度は大会に出たい。勧誘活動にも力を入れ、校内には至る所にポスターが。
伊是名良平選手「(Q.こういうのを書いている時はどんな気持ちだった?)お願いだから野球部入ってほしいって気持ちで書きました。字が汚いけど、思いきり書きました。」
そして、その思いが報われました!
知花泉選手(1年生)「学校の説明会で誘いがあったので、友達も誘いながら一緒に入った。」
海老澤功一選手(3年生)「熱心なんだなっていうのがめっちゃ伝わる。」
この春、新入生が6人入部、さらに彼のプレーする姿に刺激を受け、アルバイトで来られなかったメンバーが戻ってくるなど3年生4人が加入。他の部活とかけもちも多く、なかなか練習では全員そろいませんが、それでも合計で11人、この夏、初めて大会に出場できることになったのです!
伊是名良平選手「幸せですね今は、仲間がいるので。野球ができて、本当に良かったなって思います。」
監督と二人三脚でつかんだ、初の公式戦。これまでの思い、すべてをぶつける、最初で最後の夏がやってくる!
高良耕平監督「彼自身の集大成だと思いますので、今までの長年思いきりできなかったわだかまりというのをしっかりぶつけて、最後悔いの無いようにできたらいいのかなと思います。」
伊是名良平選手「こういう先生はなかなかいないので出会えて自分たちは本当に幸せだと思います。第1試合でホームラン1本、打ちます。」