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約20年の歳月をかけてこの研究を行ったのは、琉球大学熱帯生物圏研究センターの戸田守准教授のグループです。
琉球大学熱帯生物圏研究センター戸田守准教授は「沖縄と宮古が比較的新しい時代に陸続きになっただろうと」
研究の鍵となったのは、琉球列島に広く生息する「ヒバァ」というヘビの一種。このうち宮古地方固有のミヤコヒバァのDNAを調べた結果、八重山や台湾のヒバァよりも、沖縄地方に生息する「ガラスヒバァ」のDNAにより近いことが判明したということです。
琉球大学熱帯生物圏研究センター戸田守准教授は「(沖縄・奄美の)ひとつの島の中で、いくつもの古い系統(のヒバァ)が固有化してきた。恐らく島の中で固有化していた。そのあと、(沖縄と宮古の間で)陸橋が繋がって、沖縄奄美のエリアで生じた固有種の一部が宮古に進入した。陸が繋がって、そこを渡ったと考えるほうがはるかに自然だろうと」
今回の新発見、戸田准教授いわく、まだまだ未知の世界の入り口が開いたに過ぎないのだそうです。戸田准教授は「もし宮古と沖縄が繋がっていたという地史、島の歴史が本当だとすれば、ミヤコヒバァと同じような歴史を持った生き物が他にもいるはずです。島の歴史が、生物のDNAに刻まれているということですね。それを紐解いてやるとひとつひとつ謎が解けていくのかなって」と話しました。
本当にロマンあふれる研究ですが、謎もたくさん残っているということで、例えば沖縄エリアからヒバァが宮古に渡ったあと、宮古島はいったん全土が海に水没しているということなんです。
戸田准教授によりますと、宮古島がふたたび海面に上がってくるまで、ヒバァをはじめ一部の生き物たちはどこか別の島に逃れ、生き残っていた可能性があるということで、まだまだ研究が必要だということです。