まずはこの数字をご覧下さい。この金額、このおよそ2年半で、辺野古の新基地建設のため陸上と海上の警備費用として使われたお金です。業者は、沖縄防衛局によって入札が行われていますが、その条件も厳しく、ほぼ「独占」状態と言われています。
この金額、単純に計算しても実に、1日当たり約18000万円の費用が使われています。これはもちろん全て税金です。
さらに、驚くことにこの多額の費用が支払われている警備会社の子会社に雇われている警備員に対しては、何と、残業代が支払われないケースがあることが分かったんです。
警備員Aさん「残業代だけで、(月に)140時間以上を超えている人間も少なくないです」
こう話すのは、辺野古の海上で、国側の警戒船などに乗る警備員Aさん。
募集段階では、午前8時から、午後5時までで日給9,000円となってましたが、現実はあまりにも過酷と胸の内を明かします。
警備員Aさん「(午前)5時半集合だったので、出勤が(午前)4時から。4時過ぎには出勤。逆算すると少なくとも(午前)3時には起きていないといけない。帰宅は、(午後)9時から10時近く、ほとんど家に帰って寝るだけの生活が、それこそ休みなく続いた時期もありました」
Aさんらは、労働基準法違反だとしてことし4月に労働基準監督署に申告。
今月13日、監督署は、雇い主である沖縄市の警備会社マリンセキュリティーに対し過去2年間にさかのぼって残業代を、今月中に支払うよう是正指示を出しましたが、今のところは、支払われていません。
逆に、状況は悪くなっていると言います。
警備員Aさん「シフトから外されるとか、そういった形で、通常世間で言われている「仕事外し」的なものを受けて、他の隊員から比べたら3分の2程度の仕事しかもらっていないと」
QABの取材に対し、マリンセキュリティーの親会社である、東京のライジングサンセキュリティーサービスは、「担当者不在」として取材に応じていません。
一方で、Aさんは、辺野古沖で海上警備にあたる際、詳細は明かせないものの国側が反対する市民の個人情報のリストを用意して監視させている実態にも言及しました。
警備員Aさん「それ(リスト)らしきものが、船に整備されてて、その反対派のさっき言った乗船者の特定の時に使われているというのは聞いています(Q.大体何名分?)そうですね。4、50名くらいはあると聞いていますが」
こうした状況について、弁護士は、「正当な理由なく個人情報を収集するのはプライバシーの侵害に当たるうえ、反対運動の萎縮にもつながるので、憲法で保障される表現の自由の侵害だ」と指摘しています。