あさって5月15日で、沖縄が本土に復帰して44年となります。その復帰運動のリーダーとして活動し、最初の県知事になった「屋良朝苗さん」その屋良さんをテーマにした舞台の練習に県内の中学生高校生たちが挑んでいます。彼らが、屋良朝苗さんから学ぶこととは?
屋良さんがタスキをかけているシーン「みなさん屋良朝苗です。」
初代沖縄県知事を務めた屋良朝苗さんの生涯を描く「沖縄偉人劇・屋良朝苗物語」に挑戦しているのは、中学1年生から高校3年生までの総勢60人です。
1902年読谷村に生まれた屋良朝苗さん。貧しい農家に生まれるも勉学に励み教師に。戦後は、琉球政府の主席などを務めた後、復帰運動の先頭に立ちました。
「教育の場と政治の場の相違はあったとしてもなんらかわるものではありません。」
主人公屋良朝苗を演じるのは、知花杏樹さん。将来の夢は、屋良さんのような教員を目指しているという知花さん自ら屋良さんの役に手を挙げました。
知花杏樹さん「今の基地問題に関する考え方もいろいろとあると思いますが、復帰するまでに何があったかというのが分からないことばかりだったので、政治よりも何よりも先に教育だったのかすごい自分は衝撃を受けました。」
「戦後復興の一番は教育だ」舞台で語られる屋良さんの言葉は演じる知花さんにも大きな影響を与えていました。
舞台の知花杏樹さん「いつまで戦争の犠牲を罪のない子どもたちに受けさせるのでしょうか?みなさんこの問題は、沖縄だけの問題でしょうか・ぜひとも全国民の問題として目を向けていただきたい。」「子どもたちの教育こそが未来を作る私はそう思います。」
本番を直前に控えたこの日、屋良朝苗さんの功績を伝える会の会長を務める(元読谷村長の)山内徳信さんが稽古を見守っていました。
舞台で徳信さんを演じる新垣くん「若いみなさんにはね屋良先生の想いを次の世代にも引き継いで行ってもらいたいんだ。」
山内さんと新垣くんのやりとり 控室「新垣くんいやー山内村長!僕よりももっと本物だよ。」新垣くん「山内先生にも一生懸命話しかけてどう盗もうどう盗もうと考えてそれでこの喋り方の特徴とか盗んでから劇に生かしていました。」
舞台のカギを握る山内徳信役を演じるのは、中学2年生の新垣雄一郎くん。もちろん復帰については何も知りませんでした。
中学2年の新垣くん「沖縄にはたくさんある基地があるので 屋良先生は亡くなったんですけど、これは、屋良先生が望んでいる復帰ではないので、この自分たちが生きているときに屋良先生の想いを引き継いでこの屋良先生が望んでいた復帰、基地がない復帰を実現できたらなと思っています。」
戦後の激動の時代や復帰運動など、全く知らない世代の子ども達。舞台を通してそれぞれが屋良さんからのメッセージを受け取っているようでした。
舞台は、あす本番。44年前復帰祈念式典が行われた那覇市民会館で行われます。
舞台「沖縄は、沖縄は・・・・負けないぞまけてはいかんぞ。沖縄の人々の命を大切にする生き方、沖縄県民の苦難の歴史を全国民が共有し、沖縄の伝統や文化が世界から注目される日がきっとくる。その日を信じて前進するんだ。一条の光を求めて!」
舞台はその人になりきって沖縄の歴史を学べるいい機会ですよね。
山内さんを演じていた新垣くんの言葉に「屋良先生が望んでいた復帰ではない」という言葉がありましたけれども、核抜き本土並みに縮小されると信じていた基地が今も沖縄には横たわり続けている。教育者であり、政治家でもある屋良朝苗さんを通して復帰とは何だったのか?考えて見てはいかがでしょうか。舞台はあす那覇市民会館で開かれます。