今、子どもを取り巻く多くの出来事が社会の問題として取り上げられる中、子どもに寄り添い、教育と家庭、そして行政をつなぎ、解決策を模索する専門職。それが、スクールソーシャルワーカーです。
那覇市では今年度から「子どもの貧困緊急対策事業」としておよそ2億3000万円を計上し、スクールソーシャルワーカーを独自で「寄り添い支援員」と名づけ配置することになりました。
那覇市教育相談課・町田久乃主査「学校にきている子どもたちのなかには、家庭で非常に困っているということがみえにくことがある。そこをひとつひとつ丁寧に寄り添いながら、こどもたちの困り感、家庭の困り感に気づいて、そういう家庭を丁寧に寄り添いながら繋いでいくことを狙いとしています」
今回、寄り添い支援員として採用されたのは、社会福祉士、精神保健福祉士の有資格者をはじめ、これまで教育現場や子どもの支援を行なってきた人など様々です。
新川千弥子さん「私は教育相談支援員を経験していて、そのなかで貧困家庭とも向き合ってきました。そういうこどもたちを一人でも多く、よい環境のもと成長させてあげたい」
高良 直さん「子どもたちが持っている力と、家族がもっている力、地域の人達が持っている力をそれぞれが発揮できるように。身近に座って話をきいてあげること、そこからがまずは始まりだと思っています」
今回採用された寄り添い支援員は18人。7月まで沖縄大学でスクールソーシャルワークについて学ぶほか、県外から専門の講師を招いて集中講義を行うなど、教育現場に入る支援者としてどうあるべきかなどを学びます。
今回18人が採用されましたが、実は那覇市には小学校が36校、中学校が17校あります。単純に計算すると1人が3校を受け持つことになります。果たしてこの人数でまかなえるのか課題はあります。
先日取材した子どもの貧困問題の勉強会でも、スクールソーシャルワーカーの不安定な雇用形態や待遇の低さが指摘されていました。保育士不足の問題同様、こうした社会的ニーズが高い職業の待遇改善を図ることがいま求められています。