さて、子どもの貧困会議では様々な数字が明らかになっています。こちらは県内の高校進学率です。全国ワースト。(沖縄96.4%全国98.5%)その1つの要因としては生活保護世帯の高校進学率(沖縄83.5%全国90.8%)の低さがあると言われています。
経済的な事情や家庭環境から学習が遅れ進学したくても叶わない生徒も多くいます。そこで、高校進学を後押ししようとボランティアによる学習支援がうるま市で行われています。
うるま市にある赤道公民館。毎週火曜と金曜、そこは「寺子屋」になります。
山城幸江代表「7時8時くらいにみんなで分けて食べるものです。困窮世帯が対象なので家に帰ってもなかなかご飯が用意されていない子もいますのでここで少し食べて家に帰ってもらって」
誰でも学べる場所にと「寺子屋」と名付けられたこの場所は、経済的な事情などで学習塾に通えない中学3年生のための無料塾です。
山城さん「昨日遅くまで(勉強)やってた?」
生徒「やろうと思ってこれ漢文。昨日の続き」
代表の山城さんはこれまで、発展途上国の子ども達への支援活動をしてきました。しかし、地域に支えるべき子ども達がいると気づき、2年前に「虹の寺子屋」を始めたのです。
「寺子屋」には1人親世帯の子どもたちを中心におよそ20人が集まります。
問題を出しあう生徒「いかなる権力からも不当な干渉を受けない権利を何というか?」生徒「公民の授業らへんずっと学校いってなかったからわからん」
様々な家庭環境で育った子どもたち。学校の授業になかなか追いつけない子もいます。
生徒「分からないから(勉強の)やり方もわからないしこっち来て(成績が)上がった」
ボランティア「すごい伸びてきていますね」
生徒「寺子屋はみんな教え合いもできてわかりやすいから来ていても楽しい」
生徒「楽しいです。教えてくれるし勉強も楽しくできます」
子ども達の「楽しい」という言葉の通り、ここには寺子屋ならではの魅力があります。
山城さん「誰が誕生日?(そっぽを向く男子生徒)ちょっと照れるそうです」
アットホームな雰囲気の中、ボランティアが一人一人に向き合うことで寺子屋は子どもたちの心の居場所にもなっています。
山城さん「寄り添いボランティアと実践で教えてくれるボランティアが来てくれているので2タイプ」
ボランティア「私はあんまり勉強を教えられないんですけど遊ぶ担当。第二の家族みたいな感じですね。(Qボランティアで頑張ろうと思えるのはなぜですか?)この子たちが好きだからです」
スタートして2年目、課題もあります。
1年目は全てボランティアだった寺子屋も今年度は、自治体と民間企業から年間40万円の助成金を受けていますがテキスト代やコピー代にしか使えず、講師料はもちろん、休憩時間に配られるパンやおにぎり代も、自分たちで捻出しています。
山城さん「地域と行政と学校3つが1つのサークルになってお互い手を取り合ってやれば子ども達もどんどん大人を信用する未来の投資この子たちに注いでほしい」