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事態が明らかになったのは、先月18日。北谷浄水場の水源となっている嘉手納町の比謝川周辺で、有害とされる有機フッ素化合物PFOSが検出されたのです。

先月、北谷浄水場で有害の有機フッ素化合物PFOSの検出されたことが、明らかになってきょうで1カ月です。安全・安心のはずの飲み水の水源汚染の問題を考えます。

Q+リポート 水源汚染への不安

県企業局・平良敏明局長「大工廻川から高濃度のPFOSが検出されたこと。及び比謝川においては、大工廻川との交流部から下流においてPFOS濃度が上昇していることなどから、発生源は嘉手納基地でる可能性が高い」

PFOSは主に航空機の泡状の消火剤などに含まれますが、健康への影響は十分に解明されていません。現在は国際条約でその取扱いが制限されていますが、国内では明確な基準はありません。

Q+リポート 水源汚染への不安

県企業局は、2014年以降の調査でPFOSの検出を発表。

一方で、北谷浄水場ではPFOSを一定程度除去し、供給される水は海外の基準値を上回っておらず、安全だとしました。

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京都大学医学部小泉昭夫教授(環境衛生学)「(米国基準の)200ナノグラム/リットルというのは、かなり安全を見込まれた数字だと思う。ただ、環境中に永く残るので、汚染が継続しているような場合、どんどん高くなっていく可能性がある」

直ちに影響はない。しかし専門家が懸念するのはPFOSがなかなか消えないというその性質です。

小泉教授「体内でほとんど分解されないということで、非常に体内永く残るということ。濃度が半分になる時間というのが大体、4年から5年と言われていて、非常に体の中に残留していく」

北谷浄水場の水が供給されている市町村は7つ。特に、北谷町と宜野湾市では100%が賄われています。これらの市町村では、住民からおよそ60件の問い合わせがあったと言います。

主なものは「自分の家の水がどこからきているのか」で、中には乳幼児など子どもへの影響を心配する声も聞かれました。

PFOSの除去に有効とされるのが活性炭。北谷浄水場でも一定の効果を見込んでいますが、懸念もあります。

県企業局水質管理事務所・伊佐智明主幹「PFOSを落とせる可能性としては活性炭なんですが、それも新しいうちしか効果がなくて、3年目、4年目以降になると、もうほとんど除去できない状態になります。(北谷浄水場では)次年度から4年かけて全部の活性炭が新しくなりますので、当面はその効果があるんですが、その後というのはこれから検討する予定です」

Q+リポート 水源汚染への不安

県の企業局は1カ月前の公表後、初めて調査のための採水を実施しました。分析結果は、来週にも明らかになる見通しですが、専門家は井戸水の汚染を懸念しています。

小泉教授「例えば、沖縄だとよく泉を使っていますよね。そういうところの汚染は調べて高いところ、先ほど言いました200ナノグラム/リットル以上のところがあれば、飲料水に使わない方がいいと思います」

地下水汚染の可能性。県民は常にこうした基地から派生する環境汚染への不安にさらされています。

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