沖縄の観光が順調です。クルーズ船の寄港回数が増えた事や、台湾や韓国を結ぶ空路の新規就航などで、外国から訪れる観光客も年々増加しています。
その中で、外国人が運転するレンタカーによる交通事故が増えています。事故防止に取り組むレンタカー業界を取材しました。知念記者です。
去年沖縄を訪れた観光客は、およそ770万人。海外からの観光客はおよそ150万と、初めて100万人を突破しました。それに伴い、外国人のレンタカー需要も伸びています。
県レンタカー協会によると、昨年度の利用台数はおよそ9万台。その9割は、韓国、台湾、香港からの観光客で、今年度の利用台数は13万台が見込まれています。
その中で、ある事も増えています。海外から来た観光客が県内で事故を起こした件数は、
昨年度、およそ3000件。これは日本人観光客の3倍です。事故の99パーセントが、車両同士の事故や単独事故で、特に多いのが、追い越しや追い抜きの際の事故となっています。
県レンタカー協会・伊佐清志専務理事「主に台湾や韓国というのが、右側通行というのがあり、長年慣れ親しんだ運転感覚、通行区分の違いに(よって)事故が多いと見ています。」
実際に車を運転した観光客からもこんな声が聞こえました。
韓国からの旅行客「運転の時、車が左側に寄ってしまって。運転が難しかった。韓国の場合は赤信号がでても左折ができ、狭い道では右折左折ができるのですが、日本の場合は赤信号は必ず止まらないといけないので、これが一番注意しています。」
実際にこんなケースを目撃した人もいました。
タクシー運転手「ときたま運転が右左逆なのかわかりませんけども、やはり逆走するってケースがとってもありますね。特に美栄橋の入り組んだ道がありますねよ?そこは結構多いですね。」
そんな中、県レンタカー協会では去年8月ごろから、海外からの観光客の受け入れる14のレンタカー事業者に「外国人が乗っています」と書かれたステッカーを配布。日本での運転に慣れていない海外の人が乗ってることを知らせ、周囲に注意を促そうという取り組みです。ステッカーは県民にも、少しづつ認知されてきました。
タクシー運転手「外国人がのってます。とみて、そばから通って気をつけてはいるね」
タクシー運転手「見てますよ。みたら、間隔あけるか先に追い越していくかしますね。あれあったほうがわかりやすい。」
また、日本の交通ルールなどを記載した多言語のパンフレットも配布しています。交通標識の意味や交通量が多い地域、事故が多発する場所を記載しています。
さらに、こんな取り組みも。冊子を、ペンで触れると、道路標識の意味などを英語や中国語、韓国語などで教えてくれます。また、観光地の情報も説明してくれます。
知念記者リポート「こちらのOTSレンタカーでは、海外から訪れる観光客に、安心して車を運転してもらおうと独自の取り組みが進められています。」
外国人へのレンタカー貸し出し数が県内の6割から7割のシェアを持つOTS、沖縄ツーリスト。車を貸す前に交通ルールや標識の意味、ガソリンの入れ方などを教えています。また、運転が不安な人に対しては、不安解消につなげようと日本の道路を擬似運転できる装置を置いて対応しています。
この日、事業所に1本の電話が入りました。外国人観光客から事故が起きたという連絡です。
OTS・大城さん「(電話は)単独ですね。電柱にミラーをぶつけてしまったという事故ですね。」
OTSは去年11月から、県警などと提携して110番の委託事業を展開しています。レンタカーに関する事故の連絡が入ると、スタッフが内容を聞き、警察に110番の通報するというもので、全国で初めての取り組みです。これにより、スムーズな事故処理が可能になりました。スタッフは、アジア圏の人を採用し言葉の壁を解消しました。
韓国人スタッフ「怪我が無いか?優先に聞いて、車の状態を聞いて、場所をきいて、後から通報するマニュアルです。警察に連絡する。やっぱり事故が起きたら1番不安なのは
お客様なので、通訳しながら一緒に事故を解決します。」
県内での取り組みは始まったばかりですが、今後、オリンピックや世界うちなーんちゅ大会など、外国から観光客が訪れる機会も多くなります。この先も観光客数は増え続けると予想される中、沖縄の旅を安心して楽しんでもらう為に、事業社だけでなく、県民の優しい運転もとても大切なのかもしれません。